拉致被害者家族の帰国と国民感情

今回、小泉首相の北朝鮮訪問と被害者の家族の帰国に関して国民の7割は良くやったと思っているようである。
しかし、マスコミの重心は、小泉訪朝失敗という部分にかかっており、少し乖離が見られるようである。

この国民の大多数の感情は、「早く目の上のたんこぶを取って欲しい」という感覚なのだろうと思う。
長い間、新聞、TV等で放送されてきた北朝鮮の拉致問題に飽きてきてその話題を自分の頭の中から漸く取り除く事ができると考えているのでは無いだろうか。

だから今回の、訪朝で小泉首相は、少なくとも5人の家族は帰ってきたし、曽我さんの家族の場合は、本人に日本に来るのを拒否したのだからと言う理由があるので、これで良しと納得している人が大部分であるのだと思う。

この国民の世論がこうであるので、今後マスコミの報道も下火になっていく可能性がある。
何故ならその話題に国民が食いついてこないからである。

それで、拉致被害者の会の方もこのままでは国民に忘れ去られてしまう事を怖れてあんなに声を上げて訴えたかったのだろう。

人の心は、熱しやすく冷めやすいものである。
上手く時流を捕らえれば何時までも上昇気流に乗り続ける事ができるであろう。
小泉首相もその点で上手く乗り切ってきた。しかし、この人気ももう少しの寿命かもしれない。
TVに映るあの顔を見るのが飽きてきたからである。