軽微な交通違反のほうが危ないと

11月の寒い中、北海道では交通安全週間ということで、早朝から街頭に60過ぎの高齢の方が交差点に立ち、黄色い旗を振っておられた。

 あの活動は、一定の抑止効果があり、道行く通勤通学の人たちも、何時もなら赤信号で横断する人たちもこの時はいつも信号を守って通行するようになる。また、行きかう車もこころなしか安全運転のような気がする。
 もしこれが有効なら毎日行ってほしいものである。でも、毎日だと慣れるだろうし、立つ人も大変なので現実は無理だろう。

 現在の警察の交通取り締まりは、死亡事故の予防に精力を傾けているように感じる。スピード違反、シートベルト、飲酒運転、そして駐車違反となるのだろう。
 スピード違反は、街中で事故を起こせば、歩行者に被害をもたらすので取締りをしなければいけないのだが、実際は、被害が出そうな街中ではなくもっぱら郊外で取締りが行われている。確かに郊外は、運転手がスピード違反を犯しやすい環境を備えているため取締りをしやすいと思われるが効果はどれくらいあるのか疑問に思ってしまう。

 かえって、街中の駐車違反、これは歩行者が危険な車道に出なければ通行できないような違法な駐車、或いは交差点付近での駐停車など人身事故につながりやすい違反が多い。また、街中で多く見られるのが、運転中の携帯電話である。また、これは自動車のみならず、自転車に乗った若者のメールをやり取りしながらの運転もある。

 このように取り締まるべき対象は、車の運転者の安全のためでは無く、歩行者の安全を如何に確保するかに重点を置くべきだと思うのだがどうだろう。
 自動車の違法運転を取り締まるなというわけではない。スピード違反などは、現在も続々設置されているオービスに任せてしまえばよい。もし、スピード違反で事故が多い路線は1km起きに設置すれば良い。そのほうが警官を日中の交通量が少ない時間帯に取り締まりに当てるより効率的である。

 その人員を、交通量の多い交差点、駐車違反の多い路線などに重点的に配置してもらえれば交通安全に係わる警察の恩恵を受けやすくなると思う。だって交通量の少ない道で、一時停止違反の取締りを物陰に隠れてこっそり行うのと、道路に堂々と立ち安全の監視を行うのとどちらが交通違反の抑止力があると考えれば、当然後者と思う。