ジタン選手の怒り

W杯の最終を飾った事件は、ジタン選手のレッドカードであった。

 色々と取りざたされて、読唇術なども持ち出し、何を言われてあんなに起こったのか原因探しにマスコミも躍起である。
 その騒ぎを受けてジタン選手もフランスでTV出演し、原因を述べていたが、肝心な言われた言葉については述べていないようだ。また、言った当本人も、「テロリストなど頭が悪い自分が使うはずがない」等と頭の悪い発言をしていて、サッカーの一流選手は頭が悪いのだなと認識させられた。

 W杯の代表は、国別であり、その国の状況を観察できて面白い。人種で言えば、日本や韓国などは、あまり移民を受け入れていないことを表すように、日本人(三都主選手を除いて)、韓国人のみであった。例えばヨーロッパなどの国々にしても、フランスは極端に黒人選手が多い。イングランドも多かった。それ以外の国は、黒人選手は少なく、白人が多く、その典型がイタリアであった。それは正に世界を映し出していると思ったのである。

 そして今回の事件である。移民を受け入れるフランス(植民地時代の名残だと思
うが、その歴史と、自国民として融合しようとした歴史)とあれだけセリエで外国籍選手が活躍しているにもかかわらず白人しか居ないイタリアという対比が根底に合ったのではないかと思ったのである。そのフランスにも、人種差別があり、争いがあるのも理解している。そして、ジタン自身もアルジェリアから移民してきた両親の子供である。そう言った小さな頃から差別的扱いを受けてきた経験があのような行動を取らせたのではないかと想像できる。

 肌の色、言葉、生まれた環境等、色々なところで差別が生まれる。日本だって例外でない。この先、日本への移民が増えれば、こういった問題が大きな社会問題となるだろう。

 そして、今回の事件のようなことが起こるのだろう。その時ジタン選手が感じただろう怒りを理解しようとしなければならないのではないだろうか。だからただのゴシップに貶めようとするワイドショーみたいな扱いは止したほうが良いと思うのである。