北朝鮮のミサイル発射問題

日本が急いだ国連決議の採決は延長されてしまった。根本的原因は、中国、ロシアの動向を日本側が見誤ったと言うことにつきる。

 日本政府は、ミサイル発射と同時に、全世界に向けて遺憾の意を表明した。そして、短時間に決議をすれば、中ロの反対を押し切ってでも決議案が通ると確信していたのであろう。
 しかし、世界にとって、日本と北朝鮮の争いなど世界地図の東の果てで行われている野良猫の縄張り争い程度にしか感じていないのが現実なのではないか、夜中に猫の鳴き声が遠くでするが、眠れないほどではないし、日中はW杯に夢中だから、そんな事は直ぐ忘れてしまうといった所である。

 また、中国、ロシアは、日本と違い国境を接している国である。もし経済制裁などで北朝鮮が疲弊すれば、北朝鮮から難民が流れ込み、北朝鮮国境付近は混乱が予想され、それに乗じて反政府勢力が浸透すれば、国内の混乱も必死である。(この考えは、一方向の側面でしかないのは承知している。それ以外にも理由があるだろう。例えば資源など)
 また最近、日本は、アメリカにべったりであり、中ロは殆ど蚊帳の外状態である。それに輪をかけて今回の、自分たちの事情を考えもしない日本の行動に怒り心頭なのではあるまいか。もし、北朝鮮が日本と地続きならば今頃臨戦態勢で備えてなければならない所、離れているが故、勇ましいことを言っていると思っているに違いない。

 今の状況は、戦略的な思考が重要である。いかに中国とロシアを味方或いは、中立国として存在させるかの何らかの方策を採らなければいけない時期に来ている。もし、このまま、中ロを北朝鮮側と組まれるようなことになれば、日本海を挟んで向かい合う形になり、より一層緊張が生じることになる。

 なにやら不穏な空気が漂う気がするが、もし、最悪の事態になれば、今の日本では危機的状況を持ちこたえられないような気がするのである。ここは、何とか難局を乗り切って欲しいと願う。