赤ちゃんポスト

「赤ちゃんポスト渦巻く賛否」という題で東京新聞が扱っている。

否定派の意見として上げられているのは、

「赤ちゃんのごみ箱を作るつもりなのか」
「子どもを捨てられると安易に喜ぶ若者を増やす」
「中途半端に助ければ、かえって不幸を招く」

である。この記事自体は最終的に赤ちゃんポストの設置に賛成している。

インターネット上の意見箱である「yahooニュース」では、多種多様な意見が述べられている。

そして結果は、「イメージを拡大して見てね」

この結果を見て、反対の意見も多いのだなと思った。

 
 子供は母体から生まれると共に人権が与えられる。即ち一人の人間としての権利が与えられるのである。しかし生後直ぐは、自分の意思を伝えられないのと、一人では生活できないことから、その権利は親に委ねられることになる。

 赤ちゃんポストを利用する時点で、親は子供の親権を放棄しているのだから、生きる権利は子供の側に移っていると考えても良いだろう。
 即ち、赤ちゃん自身が自分が生死の決定権を持っている。ただ意思表示が出来ないだけで。

 その人間としての権利を自分で主張できるまでの期間、子供が成長できる環境を与えるためにもこの取り組みはあるべきだろう。

 この問題得てして、議論は生んだ親の方に行きがちである。確かに子供を捨てると言うことはどんな理由があろうとしてはならない事実なので、親の責任は重いのだが、親が悪いからと言って、捨てられようとした赤ん坊の命を救うシステムを作るなと言うのは間違いである。
 捨てる時点で、親は親権を一方的に放棄しているのだから、ここは赤ん坊の生きる権利を確保する視点に立って論議しなければならないのだ。

 「捨て子」を助長するという意見も有るが、どの道捨てる親の大半は、生活能力が無いことに起因する事が多いはずである。もし捨てなくともその後問題となるケースが多いはずである。そして、生んだ子供を簡単に預ける場所があれば無責任に子供を作る親が増えると言うこともその通りかもしれない。無責任な親は断罪すべきである。
 
 最後に一つ考えなければならないのは、病院から他の施設に移された後のことだろう。母親が名乗り出なければ養子縁組も出来ないようなので子供の成長にとって一番良い方法がとられるようなシステム作りが必要だと思う。例えば、母親が名乗り出なくとも養子縁組ができるようにするとかである。