賞味期限

色々なところで明らかにされる賞味期限の問題、見方は2つある。
 
 一つは、消費者をだましたという見方。普通の人なら、包装の表示が賞味期限切れだとしたら、敢えて買うことはしない。普通の感覚では。そもそも今の日本では、賞味期限切れの前の食品なら3割、5割引きで売られているのである。もし食べても害のないものだとしても、新しいものと同じ値段で買う人はいないだろう。

 2つ目の見方は、まだ食べられるものを賞味期限というもので廃棄する日本の現状から見た見方である。
 賞味期限がそもそもない国では、明らかに腐っていなかったら消費されるものを、日本では消費期限という表示で捨てざる終えない状況であるということである。

 今回の事件で言えば、自分たちの利益のために消費する人を無視してしまったということを重点に考えなければいけないのは当然である。
 もし可能なら、賞味期限が切れたものをまた再利用しても安全に食せるということを確認して、それを表示して販売すれば良かったと思うが、もしそれを明らかにして売れるかというと問題がある。
 それでなければ、賞味期限が切れた食材をごみとして廃棄しなければならないことになる。
 実際、スーパーなどでは、売れ残りの肉や魚、野菜などは、再度、調理や加工することで無駄をなくそうとしている。それが悪いことだとは消費者には思われていないのではないだろうか。
 きっとこのような無駄を省く方法は、どの食品会社でも行われていることであろう。

 でも本当に驚くほど、まだ食べられるものをごみとして廃棄している国なのである。

 今後やはり製造年月日を表示するように戻すべきではないだろうか。それを見て食べる食べないは消費者の判断に任せれば良いだろう。更に言えば製造日から日数がたつにつれて値段を下げるのが正しい方法だろうと思う。
 後原料への再利用は、きちんと表示させるべきだろう。再利用のために防腐剤や保存料を多めに加えられては問題があるからである。

 食の安全は、食料の無駄を増やすことにつながる。それは食料は貴重な資源であるという見方からすれば問題であるのは明らかである。そういったことを防ぐような方法を今からとらなければ、食糧危機が訪れたとき真っ先に困るのは、食料を輸入に頼る日本だからである。