夜の星

久し振りに夜空を見た。
 
 別に家に閉じこもっていたわけではない。それは最近空を見上げて帰ることが少なかったからだ。

 身の回りに色々なことが起こるとどうしても俯きがちになる。そのせいで地面ばかり見ていたのかもしれない。

 そして空の話。南の空にオリオン座が見える季節である。それ以外にも無数の星が瞬いている。それが晴れ渡った夜空一杯に見えるのだ。
 その星の一つ一つが大陽と同様に燃え盛りそして何万何十万光年の遥か彼方に存在するのである。それが地球にいる自分に見えるのである。
 そしてその星の間の暗闇は未知なる空間へと続いている。昔の人がそれを想像できず、空というドームに張り付いていると信じることは普通のことである。
 そしてそれが時間や日によって変わる姿を見て何を思っただろう。

 冬の夜は長い、そして冷え切った空は、夏よりも澄んでいるような気がする。

 流れ星を探したがそれは現れなかった。