東京暮らし

暮らしとは大げさだが、東京にきて少し都心から離れたところにいるせいか空気が以前より匂わなく感じる。初冬の空気のせいかもしれないが、ある意味期待を裏切られた。
 それにしても東京は坂が多い。関東平野という大きな川が集まった扇状地のせいなのだろう。そもそも山からの土砂が流れて平野ができ川に削られた大地は波打つのは当然である。
 あと坂道を歩いて驚くことは、自転車が猛スピードで後ろからすれすれに追い抜いていくことだ。あれはヒヤッとする。自転車に乗っている人は余裕ですれ違うのだろうが、歩くものにとって迷惑でしかない。
 
 まあそんなことをほざいても仕方がないことなのだ。まあ皆さん事故には気をつけてというしかない。

 あと、少し離れた郊外を歩いて思うことは、交番が多い。更に街頭に立つ警官もこんなにいるのかと思うほど多い。歳末なので警戒態勢を取っているのだろうが、今にもテロリストが上陸するかのようだ。

 更に朝散歩して、立っている警官におはようと挨拶するのだが、気さくに挨拶を返してくれる人と、こちらをじろっと見つめて挨拶を返すものもいる。年は若く、まだ自分から見て青年なのだが、あの制服を着ると性格が変わるのかもしれない。
 
 午後はずっと缶詰になりすごしたが、夜は繁華街に出掛ける。人の流れはまるで湧き出すようである。更にクリスマス商戦で赤と緑と白に彩られ何やら街が明るく見える。しかし、一歩裏道に入ると、昔ながらの家並みがビルの谷間に忘れられたように存在する。あの賑やかさと嵌った格別の世界に紛れ込んだような気がする。

 明日は、北海道に帰るのだが、東京はまだ秋である。みんな厚着をしているが、北海道ならTシャツで歩く人もいるかもしれない。だからコートを着て歩くと汗をかいて仕方がなかった。
 北海道は寒いのだろうな。