整備新幹線

政府の方針で、凍結していた新幹線の建設着工にGoサインがでた。大方の論評は、土建業者、地元市町村の票目当ての選挙対策といわれている。
 
 選挙対策に関しては、議会制民主主義を取る国なので与党の政策を進めるのは仕方が無い。それが嫌なら自民党議員を選ばなければ良い話。
 また選挙対策とするなら、国勢選挙で信を問うべきことである。

 その選挙対策は措いておいて、新幹線が建設され運用を開始した場合、営業はどうなのだろう。普通に考えて長距離の移動は、航空機が有利である。長距離の移動時間では新幹線は、旅客機には勝てないだろう。
 
 運賃にしても、道内の場合、東京ー札幌間は、1万6千円程度である。新幹線は、この程度の金額に抑えられるのであろうか。

 ちなみに、東京ー博多間は、「のぞみ」で通常時、指定席が運賃込みで22,320円である。

 それでは、近場にいく場合の利用であるが、北海道の新幹線は、日本海側を通る。札幌から利用する場合、小樽、函館が主な都市になるのだろう。そこへ行く場合の選択肢の一つにはなるだろうが、利用客数は何時も満員になるような状況は望めないだろう。

 もう一つ、今回の問題点は、比較的雪が多いルートを通る。北海道は尚更である。これを避けるため、日本海側のルートは、殆どトンネルになるのだろうが、建設したあとの保守管理や維持費は経営を圧迫しそうである。そのために運賃が上がればそれこそ利用者減を強いられることになる。

 将来の長距離移動を何で行うかのビジョンが必要だろう。長距離の移動に新幹線が適していないとするなら、もう少し在来線を利用した方式の方ががコスト的に安上がりに成ると思うのだが。

 将来に向けて一番不安なのは、やはり維持費の問題だろう。日本全国に新幹線網を張り巡らすのは構わないのだが、これに高速道路を加えた交通整備の維持費は、50年後の日本の、年金、医療に続く問題に成りかねないと考える。

 いまから、国民生活と日本の財政を考えていかなければ、交通の便は良くなったが、国が滅ぶことにもつながりかねない危うさがある。