霊感商法

古くからあるこの問題、今回は、神奈川県警の現職課長がこの件に関わっていた。警察官も人間である。欲もあるし、嘘も簡単につく。更にこの県警の体質自体が、そういうことを生み出す温床があるのだろう。ここ最近の神奈川県警の現職警察官の事件は、他の県警とくらべて異常に多いのも事実である。

 霊感商法を行う側にとって、相手は、自分たちの口車に乗ってくれそうな人たちを選ぶのは当然のことである。それは職種を選ばない。

 自分がその事業に関わっているなら、ターゲットは、恋愛や結婚に悩む20から30代の男女。成人になっていない男女には、きっと近づかないだろう。何故ならクレジットなどの殆どは未成年の場合連帯保証人を求められるからである。そこから悪事はばれやすい。

 更に40から50代は、やはり、病気や家族、あとは相続がらみの問題などが標的になるのだろう。

 では、どうやってこういう人を集めるか?

 まず大々的にやるなら、雑誌などに広告を打つだろう。そうあれである。身に付ければたちどころに悩みは解決、更に金持ちになれるは、結婚できるは、未来はバラ色というやつである。それに反応してきた人間に、特別会員だの、期間限定だのといってダイレクトメールを送る。その数が多くなれば、その地方に行き、特別指導、講演会などをやりその特定の人たちを仲間に入れるのだ。
 当然、その講演会の会場にはサクラを用意しておくのは必須だろう。

 後、そういったダイレクトメールの他に、悩みを打ち明けやすい場所、そうあの占いと証するものである。手相、タロット、何でも良い。悩みを打ち明ける人が集まってくるのだから、そこを入り口にすれば良い。

 そうして徐々に、お金を持ってくる会員が増えれば、次は宗教である。これは、代々詐欺商法の家元になっている。新興宗教の多くも、一歩見方を変えればこの仲間に見えなくも無いところが多い。

 一度、宗教法人を作ってしまえば、こっちのもんである。後は、宗教法人を隠れ蓑に詐欺まがい行為を続けていけば、永久に車は回り続けることになる。更にそれが永年続けば立派な宗教法人になれるだろう。
 
 ただこの車が回り続け始めた頃に、挫折してしまうことが多々ある。それは、信者から金を取りすぎて、事件が起こることである。
 お金を納めたもの、或いはやり手の人間を登用して幹部にしていく過程で、当然やりすぎる幹部や上層部のやり方に従わないものや、批判的なグループができる。
 そこで事件がおき、詐欺行為被害者による訴訟が起き、司法の捜査が入ることとなり、更にマスコミに徹底的にたたかれることに成る。

 そうなれば、後は坂道を転げ落ちることになる。

 まあこれは、自分の勝手な想像だが、考えれば分かるはずのことが、悩むものにとってできない時がある。それが胡散臭くても、その当事者のその一瞬は、救いの手を差し出す人に見えるのだろう。それはやはり人間だからとしか言いようが無い。

 自分でも経験があるのだが、精神的に疲れたとき、やはり何かに頼りたいという気持ちになるものである。お寺や神社にお参りに行き、祈って悩みが解決するなら安いものである。
 そこに、やさしく声をかけてくれる人間が近づき、救いの手を差し伸べてくれればそれにすがりつく気持ちは分からないでもない。ある意味恋愛などはその部類に入るのではないだろうか。
 
 そして深みにはまるのもいたしかない点もある。そしてどんどん深みに嵌ってしまえば、救いようが無いのが現状なのだが。
 もし救えるとしたら、その手前の段階で間違っていると気づかさせてくれる人が居るか居ないかなのだろう、そしてそれは家族や友人なのだろう。とはいってもそれが問題なときもあるので用心することに越したことは無いのだが。

 今回の問題、生きていればどこかで必ずぶつかる出来事だろう。それがどう転ぶかで人生が変わる場合もある。率直な感想は、それも運命だろう。