ひな祭りだった

今日は、やや曇り空、薄ぼんやりと朝日が見える。

 今日は、3月4日である。ということは昨日がひな祭りであった。そういえば物置にしまわれた雛飾りはそのままにしてしまった。
 
 ひな祭りに雛飾りを飾らなくなって久しい。ひな祭りの終わったあと直ぐ片付けなければ女の子が嫁に行くのが遅くなると言い伝えが、そもそも飾らなければそんな心配が無い分気楽なのかもしれない。

 日曜日にお見舞いに行った病院のロビーに雛壇が置いてあった。しかし、そこには肝心なお内裏様も、三人官女も、五人囃子も存在せず、ぼんぼりと花台そして山車の模型が置いてあるのみであった。
 
 それは飾り付けの途中であったのかもしれない、または明日の本番に備えまだ陰干しの状況だったのかもしれない、ただ主役不在の雛壇が祭りの後のように寂しさを感じさせた。

 そして昨日、何のイベントも行わずひな祭りの一日は終わってしまった。

 5月5日は端午の節句といい、男の子のお祭りである。それがこどもの日になり祝日になったが、女の子のお祝いである3月3日は、ひっそりと行われるようになってしまった。
 更に以前はデパートなどで行われていた雛飾りの大きなセットが何個も置かれ壮大な景色を見せていたのだが、今では小さなセットが主流でこれも時代を反映させているのだろう。

 女性が強くなったといわれて久しいが、その影響か、女性は女らしくという発想のひな祭りは徐々にひっそりと行わなくてはならない行事になり、もう後数年も経てば、旧暦の正月と同じように行事として成り立たなくなるのかもしれない。