地震

空一面に、白味がかった灰色の雲が広がっている。街路の木は既に葉をしげらし初めているのにこの寒さは、また4月に戻った気分である。
 何か心を不安にさせる気候である。

 
 中国で起きた地震、日に日に犠牲者の数が増えていく。阪神淡路地震の20から30倍の強さということから、想像を絶するほどの揺れが震源地にはあったと思われる。
 被害に遭われた方の速やかな救済と復興が速やかに行われることを願って止まない。

 地球の大地は、マントルの上に乗っかった薄皮である。その上で暮らしている人々は、その大地が堅牢なものと思って暮らしていて、地震や火山の噴火は、何故起こるのか意識せずに暮らしている。一度起こるとそれは、偶然の産物のように感じてしまうが決してそうではない。

 中に羊羹が詰まった風船状のお菓子があるが、あの表面を張り出つつけば、中身の羊羹が噴出してくる。あれが火山の噴火であるし、それを力を入れて握れば、いびつにゴムが伸びた部分ができるあるいは摘めば皺ができる。
 そういう風に地球の大地はできていると思えばよい。しかし、その時間軸が余りにも長く、人間の一生では計れないような長さであるだけである。

 そして時たま伸びたところが縮むことで地震が起こるのであるが、それが地球上のどこにでも起こりうる。

 今回の直下型の地震が日本の都市で起きた場合、同様の被害がもたらされるのだが、日常それを意識することは無い、先ほど言ったように、人の一生では計れないスパンであるから、自分の人生で遭遇するかしないかのレベルであるからそう感じるのも仕方がないことである。


 今回のエネルギーの放出はきっとどこかに影響を及ぼすことは確かである。それが決められたものでなく起こる場所は定かではない。それが自分の住んでいる土地で起こるかもしれない。
 更にその災害の規模は、だれも予想できないのだから準備しても仕方がないと思うかもしれないが、それに備えたものだけが救われる可能性は非常に高いはずである。
 今回の地震、日本に与えられた警鐘だと思わなければならないだろう。