TV

今日も曇り。この言葉を書くのは毎度のこととなってしまった。本当に青空が見えない。こんなに曇り空が続くのは本当に珍しい。
 中国では、北京オリンピックのために雲にヨウ化剤を散布して強制的に晴天を作り出しているらしい。その影響があるのだろうか。
 人為的に何かの操作を行った影響はどこかに反動として現れるそれが短期か長期かのスパンの違いだけである。
 
 今の気候が、人類が生まれてから環境に影響を与え続けてきたものの結果が今現れているとしたら、CO2を減らす努力をしたとして、その結果が出るのは、同じ時間が掛かるか或いはそれ以上ということだろう。だれもこの状況を変えることはできないのだろう。

 話題を変える。TVの話である。

 TVで漫才ブームが起こった頃からだろう、真面目イコール面白くないという考えが出だしたのは。それ以前は、公共の電波を使うという使命から、業界の中で自主的に規制を行ってきていた。
 例えば夜中の「11PM」、「8時だよ全員集合」などは、放送されていたが低俗番組として批判を受けてきた。それなりに社会がTVに対して監視の目を向けていた現われでもあった。
 しかし、フジTVを代表とする「面白くなければTVじゃない」というコピーが徐々に番組作りに反映され、吉本興業を代表とするお笑いタレントが全ての民放に顔を出し始めた頃と一致して流れが変わった。
 確かに今までどこか規則に縛られた放送に比べ、タレントが面白おかしく番組内で動き廻ることが新鮮に見えたのである。それが何年も続き、今に至るわけである。
 
 すると民放の番組全てが同じ内容で、同じお笑いタレントが顔を出し、馬鹿っぷりをさらけ出すことでお笑いを呼ぶという番組ばかりになってしまった。

 そんな番組を一日中見ていたら飽きるのも当然である。更にその時代に生まれ育った現代の日本人は幸せ馬鹿になってしまった。全ての生活が面白くなければならなくなったのだ。
 しかし、現実は面白くないことばかり、どこに幸せがあるかわからない状況で、当然馬鹿みたいな犯罪が次々と起こることになるのである。

 話をTVに戻すと、TVは明らかに飽きられている。CMはパチンコ業界ばかり、他のCMが目立たないほどである。更に早朝などは、通販のコーマシャルまがいの放送ばかり、それを永遠に見せられるのは「どうなの状態」である。
 更にいえばそれ以外の業界がTV広告にお金を出さなくなったということである。率直に言えば見捨てられ始めたのである。
 
 これから地上デジタル放送に切り替わるのであるが、これからは、CS、BSのチャンネルを加えた争いであり、良質な放送の意味が問われる時代になるだろう。更に若者の多数は、PCや携帯を端末としたインターネットの世界に嵌っている。その世代が徐々に購買層になる時代がもう既に来始めている。さらにその世代は既にTVとの関係を絶ち始めている。

 あのフジと今は凋落したライブドアの争いは、TVの流れを変える瞬間を逃したのかもしれない。それでもあの時提携していたら、フジも相当なダメージを受けていただろうから結果的には良かったのだろうが、その時に変わっていたらもっと違ったものになっていたかもしれない。
 結局その後に行ったものは、コピーをしにくくすることや、TVの内容を動画サイトにアップさせないようにするという極めて保守的な行動ばかりだった。結局、自分たちをTVという箱の中に閉じ込めてしまったわけである。

 さて一時代を築いたTV業界も再編の波に現れるだろう。そしてこのまま波にもまれることになるのは間違いない。更に地方局は再編されていくだろう。生き残るのは僅かなグループになるのだろう。