秋晴れ

青空が丁度顔を出し始めた。雲の切れ間から空は高く青く広がっている。風は既にひんやりとし、半袖でから出た腕から熱気を奪っていく。そろそろ街は、休みを終え動き出す気配がする。夏休みも終わりこれからまた新たな季節が始まるということなのだろう。新聞やTVの話題も、オリンピック一色である。そのため普段ならニュースになるようなこともどこかの片隅に追いやられるか、そもそも記事にもならないと思われる。紙面でも、金メダルを獲得した種目のカラー写真が大きく載っている。確かに土曜、日曜と続いた週末は、みんなTVに釘付けになったことだろう。この華やかな話題の影でも世界は動いているし、日本も動いている。もっと言えばオリンピック後の世界の流れがこの騒ぎの中も少しずつではあるが顔を出している。その一つが、原油価格の値下がりである。今回の原油値上がりは、需要の増大と共に、それを見越した投機マネーの原油相場への投資が原因である。この投機マネーが利益を確定し他に移動すれば、原油価格は値下がりする。しかし、年初の頃の価格には戻ることは無いだろう。これまでの世界景気の好調さに会わせ、化石燃料を使う機会は減りはすれども無くなる事は無いからである。今回の原油高、一つのメリットは、化石燃料から他のエネルギーにシフトする機運が世界的に考えられ始めたことだろう。それらが合わさり、原油価格も急な上昇は今後無いと考える理由になる。そして今後、世界はいよいよ不安定さを増して行くだろう。一つは、今回の原油の値上がりで、石油産油国に巨額のオイルマネーをもたらしたことである。中東という昔から格差のある国が集まったところに、更に格差が広がったからである。これが陸つながりでなければそれ程問題は起きなかっただろうが、簡単に行き来できる地域である。お金のだぶつきは、権力や国力を守るための武器の購入にもつながり、それを簡単に使える環境にもなる。そんなことを極東の片隅で考えていても何もできることはない。願うのは、明日の平和だけである。