何も無い

南の空は、どす黒い灰色の雲で覆われ、東から北にかけての空は乳白色の雲に覆われているといった対照的な空模様である。既に台風は、九州の西に位置し本州へ向けて進路を取っているようである。l週末は荒れた天気になるのだろうか? 自民党の総裁選が沙汰止みになりそうな雰囲気である。確かに福田総理が辞める事を発表した時点での総裁選の位置づけは新しい自民党をアピールするというものだった。そして多くの総裁候補が車に乗り全国を渡り行く姿は、お祭りの神輿のような様相だった。しかし、自民党に追い風となるようなことは何一つ起こらず、却ってこの難局に自分たちの総裁選びに興じ、今有る危機に何ら対応していないという政権政党にあるまじき醜態を晒しているといって良い状況に陥ってしまった。世界がドンドン動いているときに自分たちの村の村長選びに夢中になっている国は無いだろうなと思う。その村長選びが終わってしまう頃には世界は以前の世界と様相が変わっているかもしれないのだ。ひとまず自分たちのお遊びを終わりにしようとする判断は正しいだろう。しかし、この難局に衆議院を解散し総選挙を行うのも何だろうか。それなら少し解散を延ばし今の日本の舵取りをしっかりするのが筋だろうと思う。何もかも福田総理の決断が遅すぎたのが根本の問題であるのは間違いない。何やら今の状況に対して、世界は二極化しそうである。オイルマネーで潤う産油国対赤字におびえるアメリカ、中国、EUである。日本は比較的楽観視されている。それでもアメリカが咳をすれば日本は風邪を引く関係で有るのは自明であるので、アメリカの危機が深刻化すれば日本に影響が無いなどとは言えない。それにしてもアメリカは不思議な国である。当初の成り立ちが色々な移民が開拓しアメリカを作ったという歴史がある。民主党の大統領候補がアフリカ出身の2世である。日本の純血主義的発想からすれば考えられないことだろう。それでもアメリカは、それを許容する。国民が色々な人種の坩堝だからだろう。だから今回の危機でも、敗北者は去り新たな勝者が生まれアメリカで成り立っていくのだろう。その力が、アメリカの衰えない力なのだろう。日本では想像もつかないことである。しかし、日本も何時か、単一民族国家ではなく色々な人が混じった社会が何十年か先には誕生するのが見えてきている。それが本当に世界で日本という国が生き残る道なのだろう。