Have a rice day

空に乳白色の雲が浮かんでいる。6時頃には太陽の日が差していたはずなのに、いつの間にか日が陰ってしまった。それでも雲の厚さが薄いので空は白く輝いている。


 能天気な広告を今朝の朝刊で見た。一面カラー広告である。そしてタイトルが「Have a rice day.」
 確かにこの広告誤植かと疑わせるものがあり興味を引いたことは間違いない。しかし、その広告主が農林水産省と知って思わず失笑してしまった。
 きっとこれは福田首相の発言「若い人がお米を食べれば」から急いで作られたことが容易に想像されるものだからである。

 本当に農林水産省が新聞の一面を使って国民に広報しなければならないのは、今後の農業政策だろう。何を血迷ってこんな広告を打たなければならないのか。
 あれを見て多くの人が毎朝お米を食べるようになるなどと本当に思っているとしたら、あの広告の立案者は減俸ものである。きっとあれを見た人が考えることは「またこんなところで税金の無駄遣いをしやがって」だろう。

 石油製品の値上がりで、徐々に物価が上がり始めた今、国民が本当に知りたがっているのは食料についてだろう。もし今のまま食物や飼料などの値上がりが続けば家計に対する食費の割合は増えていくことになる。そうなれば老後の蓄えや娯楽費などは切り詰めなくてはならず、将来の不安が増すばかりとなる。

 それに対してもっとお米を消費することが正しい政策だろうか。本当に考えなければならないことは、バランスの取れた食料の自給であり消費である。
 食料の殆どは長期保存が利かない。そのため需要にあった生産計画が必要になる。将来食糧不足が深刻になれば、計画生産などの方策を取らなければならなくなるだろう。それをあらかじめ国民に理解させる広告でも良かったのではないだろうか。