サミット

朝はいつも曇り空と最近は決まっている。太平洋からの湿った空気が入り込むせいだろう。それはまさしくこれから訪れようとする夏に向けての予兆でもあるのだけれど、7月にはいってもこの調子だと先が思いやられる。それでも日中は晴れらしい。

 
 北海道もいよいよ来週にサミットを控え、先週の土日曜などはそこいら中に警官が立つという物々しさであった。
 これだけ立っていれば犯罪の抑止力になるが、普通に生活している住民にとって緊張感が日曜と言う開放感あふれる状況を台無しにしている。

 今回のサミット、地球環境をテーマに行われようとしている。もともとサミットは、世界の主要国のリーダーが一同に集まり世界状勢に対する主要国の歩調をそろえようと言うものであった。
 世界の国々の意見を言い合う場として国連があるが、あれは余りにも多くの国が集まりすぎているため主要国の意見が通りにくいという事情があるため、はなからアメリカは重要視していない。
 さらに日本も国連主義と言いながら、第2次世界大戦の敗戦国の立場から中々国連の中心国になれず、お金をせっせと運ぶパトロンの役割を果たしているのみである。
 
 というわけでサミットは日本にとっても世界の中の日本をアピールできる数少ないチャンスなわけである。
 
 今回、環境を取り上げるのも、原油の値上がりに対して何も手を打てない日本としては、環境を訴えることで産油国に無言の圧力をかけることができると言うメリットがある。あとは食糧なのだが、それは自給率が低い島国日本としては何も発言できないという弱みがある。

 で環境なのだが、きっと何も決まらないで終わるだろうとしかいえない。例え決まったとしてもサミットの影響力が相対的に低下している今、世界各国にどの程度の影響力を保てるのか疑問である。
 もしここでCO2の排出量の制限を決めたところで、世界中で行わなければ意味がない。更に化石燃料を他の自然エネルギーに転換しようとしても、これから文化的な暮らしを享受しようとしている或いは目指す国にとって足枷でしかない。

 さらにアメリカは、そもそもCO2の排出抑制に積極的ではないし、今最もエネルギーを消費しているであろう中国も協力的対応をとる可能性は低いだろう。インドもしかり。

 旗振り役の日本としては、面目だけは保ちたいだろうから、何らかの妥協点を見出そうとするだろうが、今の世界情勢で日本の影響力がどこまであるかということである。
 今回の成果は、まさしく日本の国力を測るバロメーターになるのは間違いない。