お盆

今までの青空が幻のようである。空には厚い雲が垂れ込めている。お盆のためか歩く人の姿はまばらである。道行く車の数も少なくなっている。当然といえば当然の毎年の光景である。お盆には、多くの先祖の魂が帰ってくる時である。その魂がいる場所を自分は知らない。そしてその数は、日ごと増えているわけである。それが真実か真実では無いかは問題ではない。年に一度、先祖の魂を迎え入れそれを受け入れる慣わしは、先人の知恵というべき事柄である。その慣わしが先祖代々伝わり現代に至るわけである。この先どのような風習に変わっていくかは知らないが、きっと姿を変えても何らかの形で続いていくものなのだろう。自分も死して魂という見えない存在になるのだとしたら、お盆には戻ってきて自分の家族がどのような生活をしているのか見に来てみたいと思う。