秋空

青い空の中に、少し荒れた太筆でいたずら書きをしたような雲が浮かぶ。本当に住んだ青空である。久しぶりに見たかもしれない。気温も高すぎることなく快適な一日になるだろう。秋といえば、食欲の秋、読書の秋、収穫の秋、・・・これ以上思い浮かばない。後何があるだろう。観光の秋、紅葉の秋位か。これからは、全てが赤みを帯びた景色になり、採れたての果物や野菜が食卓に上るわけである。北海道といえば「とうきび」であるが、家庭菜園で作ったとうきびも収穫を終え、収穫といっても4,5本しかないが、上手く実が入っているのもあれば、かけているのもあったが、茹で上がった新鮮なものはやはり美味しかった。それを食べていると、小さな頃の実家の畑を思い出した。その頃のとうきびは、家畜の餌用に育てていたもので、実が大粒で茹でても硬くて食用には不向きなものだった。そのとうきびが畑一面に生え、その間を迷路のようにして遊んだものである。その時のとうきびとは違い、柔らかく甘く小さなものだけれど食べていて故郷の味がするようだった。