朝霧

目の前は、白い霧で覆われていた。 昨日夜中に雨が降ったのだろうか、路面は濡れている。明け方直ぐは、数メートル先も見えないほどの霧に覆われていた。  朝日が昇り、徐々にその視界は晴れ、30メートル、50メートルと見える範囲が広がってきた。  昔の映画で、霧に包まれた街で、次々と人が殺されていくと言うものがあったと思う。確かに、本当に目の前の景色が見えない状態で見知らぬ街に一人取り残されたら恐怖で立ち竦むだろう。 そうなると、北海道の霧の町である釧路に住む人たちはどのように思って暮らしているのだろうか。