飲酒

 曇り空、時折水しぶきのような雨が顔に掛かる。今日は東日本は雨模様らしい。外は寒い。

 

 今日のニュースはこれだろう。

引用 四国新聞

飲酒後、お産に立ち会う/大阪の愛染橋病院副院長

http://news.shikoku-np.co.jp/national/medical_health/200904/20090420000216.htm

 大阪市浪速区の愛染橋病院(森本靖彦院長)は20日記者会見し、産婦人科医の今井史郎副院長(62)が、酒を飲んだ後に分娩室に入りお産に立ち会っていたことを明らかにした。

 会見に同席した今井副院長は「飲酒後にお産に立ち会ったことはあるが、医療行為をした記憶はない」と説明。「飲酒後に少なくとも3回正常のお産を扱った」との一部報道を否定した。

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これは、自分の昔の経験だが、宴会中に救急で呼ばれ外科のオペを行った医師がいた。昔なら上記のような事は、少なからずあっただろうと思う。

 今なら許されない事であるが、病院内で飲酒などは日常茶飯事であった。何故病院にアルコールがあるかというと、消毒用というのではなく、患者さんの退院の差し入れとして、ビール、日本酒、ウィスキーなどは、医局に山のように積まれていた時もあった。

 また時折開かれる製薬メーカーの勉強会などにも、アルコールが付いていた時期があったほどである。

 小説の「白い虚塔」に代表されるように、昔の医局制度は、外部と隔絶された世界だった。そこは、一般社会と切り離された世界があった。そういったムラ社会はいたるところにあったはずである。

 しかし、この情報化の時代、その仲間内の出来事で済まされたことが、済まされない時代になってきたともいえる。それは監視社会にちかいもので、誰かの不正があれば直ちに非難されるという時代である。隠し事が隠し事でないのである。

 それは、時には良い社会作りに役立つが、時には殺伐とした社会を生む。

 上記のニュースの産婦人科医の行いも、今後これだけニュースで取り上げられたのだから、飲酒後の医療行為は減る事だろう。確かに自分が医療を受けるのなら赤い顔をした酔っ払いに見て欲しくはない。

 しかし、昔なら医者は神様に近い存在だったから患者も文句を言わず医療を受けていた節がある。しかし、今の時代には、それは許されない事だと医療人は自覚するべきだろう。時代は本当に変わったのだ。