選挙

 朝方は霧に包まれていたのだが、徐々に霧は消えた。空には低い雲がビルの屋上に接するかのように浮かんでいる。

 選挙が公示される前に既に選挙運動は広がっている。特に自民党の古参議員は、選挙前の予想が不利なためか、今までした事のないような地道な選挙活動を行っている。これが草の根選挙というものなのだろう。

 ここで、従来通りの顔を見せればそれで一票入るなどと目論んではいけない。その顔見世の他に何か訴えるものが無ければ票は逃げていくだろう。

 自民党が選挙前の予想が不利なため地道な選挙活動を行っているが、民主党は選挙前の予想が予想だけに浮ついた選挙活動を行えば結果は付いてこない。今回の自民党の選挙運動はそれ程死に物狂いだと言う事である。

 当選回数を重ねるごとに何時しか選挙区の有権者の事は忘れ、国政にせいを出しているのならともかく自分の或いは派閥のお金のために働いている姿を見慣れているので、今の姿は異様を通り越して滑稽でもある。

 今の世の中で国民が欲しているのは、日本を正しい道に導いてくれる政治家だろう。そういった人材であれば、選挙区のみに利益誘導など求めはしないはずである。

 それが無い政治家ばかりだからつまらないのである。