鳩山内閣発足

 晴れ。青空が広がる。朝日に照らされて昨日降った雨の残りである水溜りをキラキラと輝かせている。吹く風は丁度良い感じである。

 昨日は、鳩山新内閣が発足した。新内閣への国民の期待が大きいだけに、期待が裏切られた場合の失望感はどれ程だろう。或いは期待を持っていない層も、結果が悲惨であればある程溜飲を下げるだろう。

 この期待感と国民の支援は、来年の参議院選挙までの短期間の間にどれ程成果を見せる事が出来るかに掛かっている。しかし、短期間でできない事は必ずある。その長期間掛かる作業をどれだけ国民を納得させるかである。余りにも拙速なスタンドプレイに走ることは慎んでもらい所だ。

 しかし、国民は熱しやすく冷めやすいので一度反発が起きれば取り返しが付かない事にはなるだろう。今回の選挙で、簡単に政権が移行できる事を知った国民は、これからも簡単に支持政党を変えることだろう。もしこれから時代が変われば、幸福実現党のような政党がある程度の議席を獲得する事が可能になるかもしれない。そういう流れを作った選挙かもしれない。

 民主党政権公約マニフェスト)の中身を民主党のWEB(http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/index.html)から一部引用

鳩山政権の政権構想

5原則

原則1 官僚丸投げの政治から、政権党が責任を持つ政治家主導の政治へ。

原則2 政府と与党を使い分ける二元体制から、内閣の下の政策決定に一元化へ。

原則3 各省の縦割りの省益から、官邸主導の国益へ。

原則4 タテ型の利権社会から、ヨコ型の絆(きずな)の社会へ。

原則5 中央集権から、地域主権へ。

5策

第1策 政府に大臣、副大臣政務官(以上、政務三役)、大臣補佐官などの国会議員約100人を配置し、政務三役を中心に政治主導で政策を立案、調整、決定する。

第2策 各大臣は、各省の長としての役割と同時に、内閣の一員としての役割を重視する。「閣僚委員会」の活用により、閣僚を先頭に政治家自ら困難な課題を調整する。事務次官会議は廃止し、意思決定は政治家が行う。

第3策 官邸機能を強化し、総理直属の「国家戦略局」を設置し、官民の優秀な人材を結集して、新時代の国家ビジョンを創り、政治主導で予算の骨格を策定する。

第4策 事務次官・局長などの幹部人事は、政治主導の下で業績の評価に基づく新たな幹部人事制度を確立する。政府の幹部職員の行動規範を定める。

第5策 天下り、渡りの斡旋を全面的に禁止する。国民的な観点から、行政全般を見直す「行政刷新会議」を設置し、全ての予算や制度の精査を行い、無駄や不正を排除する。官・民、中央・地方の役割分担の見直し、整理を行う。国家行政組織法を改正し、省庁編成を機動的に行える体制を構築する。

1 ムダづかい

国の総予算207兆円を全面組み替え。

税金のムダづかいと天下りを根絶します。

議員の世襲と企業団体献金は禁止し、衆院定数を80削減します。

2 子育て・教育

中学卒業まで、1人当たり年31万2000円の「子ども手当」を支給します。

高校は実質無償化し、大学は奨学金を大幅に拡充します。

3 年金・医療

「年金通帳」で消えない年金。

年金制度を一元化し、月額7万円の最低保障年金を実現します。

後期高齢者医療制度は廃止し、医師の数を1.5倍にします。

4 地域主権

地域主権」を確立し、第一歩として、地方の自主財源を大幅に増やします。

農業の戸別所得補償制度を創設。

高速道路の無料化、郵政事業の抜本見直しで地域を元気にします。

5 雇用・経済

中小企業の法人税率を11%に引き下げます。

月額10万円の手当つき職業訓練制度により、求職者を支援します。

地球温暖化対策を強力に推進し、新産業を育てます。

 

このマニフェストを読んで感じるのは、この経済危機の前に政権交代を行っていればと言う事である。これは国民の責任でもあるが、世界が平穏であれば積極的に政権交代を求めない空気のため、状況は悪しき方向に流れていった。

 公務員の天下りなどはその典型で、自分たちの天下り先に税金を流し、自分たちの既得権益としてしまった。更にそれを可能にする法律を政治家を誘導しながら作り上げた。更に政治家は、その見返りに自分の選挙区の地域に公共事業、補助金などで見返りを受け、更にその公共事業を請け負う企業は、その売り上げの一部を献金に回し、お互いに持ちつ持たれつのズブズブの関係を構築した後だと言う事である。

 これを根底から覆す事を国民は望み、その解決をマニフェスト民主党は盛り込んだ。この公約が実現できるかどうか、私は静かに見守りたいと思う。

 

 これは、日本国の中に本当に民主主義が根付いたかどうかの試金石にもなるだろう。