冬支度

 今日の朝も冷え込んだ、それでも朝日が昇る頃には徐々に気温は上がってきている。空のはるか上空に巻雲、西の空には積雲が、その雲の合間に骸骨の様に白い月が浮かんでいる。

 道を歩いていると今年初めての雪虫が飛んでいた。毎年寒くなるとこの虫が空を飛ぶようになる。もう雪囲いの準備をしなければ成らない時期がやってきたということである。

 台風は、既に沖縄をそれ九州上陸を目指している。もしかするともしかするがこのまま本州方面には上陸せず太平洋側にそって北上する可能性も出てきた。

 北海道付近の上空の気温は下がり始めているため台風の接近はあっても勢力を弱めるか、北海道をそれていく可能性が高いと楽観的な見方をしているのだが実際はどうだろう。

 北海道の高い山では既に冠雪があり、冬支度をしようとしているときに人騒がせな台風である。台風が通り過ぎると秋の紅葉に染まった枯葉も全て吹き飛んでしまうことだろう。

 しかし、平野部では、朝晩の冷え込みが厳しくなったのは今週辺りであるため庭木の紅葉などの葉はまだ青々している。この青さはちょっとした寒さではへこたれそうに無い。

 去年は、見事に紅葉し一瞬の美しさを保っていたが今年もそうなることを期待している。紅葉も不思議なもので、見事に赤くなるときもあれば、一部が赤く残りは青い葉のまま散る事もある。寒さが厳しくなれば全ての葉が赤くなるという決まりが無い。それはそれで趣というものだろう。

 最近は、庭木の冬囲いの手間を惜しんでそのまま庭木を雪下にしてしまう事が多くなった。昔なら枝折れを防ぐため、根曲竹と縄で丁寧に囲っていたのだが、来年の春にそれを片付ける手間を思うとそれすら億劫になってしまった。

 しかし、その庭木の冬囲いも風情があって大変よろしい。更に熟練の腕を発揮された囲いは、芸術とも言える。そういうことを知る世代も少なくなってきたかもしれない。ホームセンターなどでは、手軽に冬囲いできる材料が売られている。

 今年も、例年通り冬囲いをせずに済ませようと思う。