省エネ?

 うす曇の空の下、僅かに靄が掛かったように空気が白く見える。外の気温は、零下に近い。

 今年は、小雪で暖冬らしい。とは言っても北海道の真冬の気温がプラスになることは無い。やはり冬は冬である。ただし、100年後の北海道の冬がプラスで無いとは言えない。

 我が家のブラウン管型TVも時たま緑がかったり、赤くなったりするため買い換える決心をした。あれだけ世の中がエコをうたい、更に隣近所の家が次々と買い換えたという噂が流れれば、自分の家もと思うのは消費者心理である。

 それで、近くの量販店に行き、液晶TVを買う交渉をしたのだった。そこで一先ずカタログを貰い消費電力を今のブラウン管TVと比べてみたのだが、何と液晶TVの方が消費電力が大きいのだ。

 これには少しだまされた気分である。省エネと言いながら、国は更にエネルギーを消費しろと国民に言っていたのである。

 確かに液晶TVに代わり画面サイズが違うため一概に比較は出来ないのだが、メーカーのカタログには、買い替えはブラウン管TVの1回りか2回り大きいサイズを推奨している。

 そうすると概ね画面サイズは大きいものになる。更にエコポイントも画面サイズが大きい方がポイントは大きいのである。これは、省エネと言うより地デジ切り換えの成功と、国内家電メーカーの救済という意味合いが大きいと言う事である。

 このように、本音と建前があるのは、世の常と理解はしているのだが、正直なところもう少しエコを協調するなら、消費電力を下げて欲しかった。そうすれば自分も環境に役立つ事をしたと言う満足感が得られたはずである。

 もう一つ、科学技術に対する予算の話。

 引用 読売新聞(http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20091126-OYT1T01135.htm

ノーベル賞受賞者6人、首相に削減見直しを直談判

 野依良治理化学研究所理事長ら6人のノーベル賞受賞者が26日、首相官邸鳩山首相と会談し、行政刷新会議の「事業仕分け」で相次ぐ科学技術予算の削減判定の見直しを求めた。

--

 最近、民主党も科学技術予算の仕分け委員会が行った削減の判断を見直すとしているが、仕分け委員会の方針は間違っていないと思う。スパコンにしろロケットエンジンにしろ、無駄にお金を使う必要は無い。今までその無駄な部分の判断をお手盛りで行っていたから問題なのである。

 

 華やかな分野にお金が流れ、本当に必要なところにお金が回らなくなれば本末転棟である。それを失くす事に意義があるわけだから、ノーベル賞受賞者が雁首を並べ不平不満を言うのは、頭の良い人がする行動ではない。

 あのTV写りは、人の意見を聞かず自分の主張ばかりする頑固親父にしか見えない。ああいうTVで世間に流れるイメージが大切で、その辺りの助言をする人が必要である。

 同時に、今回の仕分け委員会の委員が繰り返しTVに流されるイメージが、見るものに不快感を与えてしまうのも戦略的に失敗である。TVの作りも意図的に悪いイメージを与える様に作るところもある。もし、そうなれば自民党の末期のようになってしまう。

 悪意があれば如何様にも出来てしまうところがTVの怖いところで、その辺りをどのように扱うかで国民の印象は違うと言うのは、民主党が今まで経験してきた事だと思うのだが。