小雨が降っている。吹く風も冷たく外に出した手もかじかんでくる寒さである。TVでは、雪の稚内を映している。春がそこにやってきているのに、季節は気まぐれである。

 元歌手でタレントの清水由貴子さんの自殺の話題がニュースで流れていた。
 昨日このニュースを聞いた時、そう言えばこの人昔TVに出ていたけど最近名前を聞かなかったなと思った。
 この人の歌の記憶はないが、萩本欽一さんのバラエティに出ていたなという記憶が強い。明るさではちきれんばかりだった事を覚えている。
 しかし、今回のニュースで語られている生い立ちは、端から見れば逆境に近いものである。そこから「スター誕生」で歌手になり芸能界に入り生きてきたわけである。
 しかしその困難さを感じさせない笑顔で溢れていたという記憶しかない。

 自殺の原因は、介護疲れとも言われているが、自分がその身になると判るのだが、丁度介護しなければならない時期が、男なら働き盛り、女性なら丁度子供の進学時期に重なる。
 どちらを重要視するか選択の岐路に立たされるわけである。また、その年齢になると職場では既に中堅どころとなり、色々な面でストレスを感じやすい時期と重なりいよいよ持って追い詰められやすいともいえる。
 
 そして、その年月が経てば経つほど、介護する側も老いを感じるようになり将来自分を介護してくれる人はいるのかとか、この先の不安は増してくる。

 今回の自殺も、自分だけ死ぬ事になってしまったのだが、心優しい人だったので、最後に母親を道連れにすることは出来なかったのだろう。

 このようなニュースに接すると介護への不安が一層世間に広まる事になる。せめてこれを切っ掛けに介護に対する施策が進む事を祈るばかりである。黙祷