国立マンガ喫茶

 朝5時頃は、空はすっかり雲で覆われ気温も12度と肌寒かったのに、7時過ぎにはその雲もすっかり消え、所々「ひつじ雲」が浮かぶ青空に変わってしまった。
 太陽から降り注ぐ日差しは、露出した肌を焼くような熱気を帯びている。今日は暑くなりそうである。

 朝日新聞の記事の中に、日本を覆う格差社会の恨み言が書かれていた。(以下は自分の考えが混じっている)所謂今の日本は、官僚と政治家が潤うだけで、それ以外は不景気の荒波に突き落とされていると。

 今景気回復の補正予算で注ぎ込まれる金額は、およそ14兆円あまり。その目玉が何と言っても「国立マンガ喫茶建設費」(国立メディア芸術総合センター)成るものに117億円を投じるというものである。更に「その他施設費」として2兆8千億円余りが使われる。
 まさしく建設業界を助けるための出費であり、公務員の天下り先を増やすのと、自分たちの施設の費用に充てられるわけである。

 確かに、地価が下落し、日本全国の主要都市の空室率が上昇している現在、不動産、建築業界はお先真っ暗な状態に置かれている。自民党にとって建設業界は、選挙時の大切な運動を担ってくれる力強い味方であるため、ここで恩を売る必要があるのは見え見えである。
 
 しかし、今後何十年先の日本の将来を見据えて予算を考えれば、既に枯れた産業にお金を投資するより技術立国日本の地位を高めるものに投資するのが筋道ではないだろうか?
 確かにアニメも重要な産業だが、今まで政府がアニメ業界に対して何を行ってきただろう。センターの建設などここにきて急に思いついたとしか思えない。

 もしアニメセンターが必要なら、建物は、あの有名な「私のしごと館」があるし、それ以外でも無駄に建設した年金の施設がある。それを有効利用した方がよっぽどましである。

 ここに来て、選挙目当ての政策しか打ち出せない与党に何の魅力があると思うのだろうか?