岐阜 vs 札幌

CS
 
 気温30度、湿度50%以上という条件の中行われた試合。まず一番の心配事は、いつも涼しい環境で練習をしている札幌のスタミナだった。
 予想では、最初から飛ばさずアウエィの試合運びの定石どおり前半は抑え後半に勝負をかけるものと思っていた。
 
 しかし、予想とは違い、試合開始から札幌のフォアチェックから全員がスピードに乗って攻め込む、まるで嵐のような攻めだった。これで点数が入らなければ、たちまち不利になることは判っていても、見ている自分も凄いと思ってしまう攻めだった。
 
 その目論見通り、札幌のダニルソン選手が一人で持ち込みパス交換からシュートを放つ。シュートは縦のカーブが掛かりGKの脇の下を抜いてゴールに突き刺さった。
 あっけなく札幌が先制した。そしてその後も札幌の攻勢は続くが追加点を奪えなかった。それが試合の綾と言うものだろう。15分過ぎから、札幌の動きが明らかに落ちる。今まで面白いようにパスカット或いはチェックに行ってボールを奪えていたのが、奪えなくなる。更に跳ね返したセカンドボールが悉く岐阜の選手に渡り、相手の怒涛の攻めに会うことになる。

 それでも幸運だったのが、相手のシュートがキーパーの正面だった事である。まかり間違えば一点もののシュートも、枠に入らなければ問題なし。それが中々入らないのがサッカーともいえる。

 前半から時間稼ぎをはじめる札幌、相手にとっては、前半から時間稼ぎをするチームなど信じられなかったことだろう。

 何とか相手の猛攻を凌ぎ、0−1で前半を終える。

 後半開始は、少し休みを取った事から札幌の選手の動きも漸く落ち着き、パスや攻めも徐々に繰り出すようになる。一時はこのまま選手が全員ぶっ倒れるかと心配したが、この驚異的な回復は、ハーフタイム中に特別なスタミナドリンクを使ったのかもしれない。

 前半消えていた、今話題の古田選手も攻撃に絡み惜しいシュートを放つなど随所に見せ場を作ってくれ、見ているほうを楽しませながら、やはり前半同様の危ない場面も作られたが、相手の攻めを跳ね返したボールが上手く攻撃につながり、最後は砂川選手が冷静にゴールを決め、試合終了。

 丁度その日は、長良川の花火大会だったらしく、試合中も、ヒーローインタビューの時も爆音を鳴り響かせていた。砂川選手のバックに写る花火は、ものすごい豪華で迫力のある花火だった。

 この花火の量は、近所で行われる花火大会の何十回分だろうと思うほどの華麗さであった。もしかしたら、試合より花火を見ていた観客が大勢居たのではないだろうか。