ダム問題と役所

 晴れてはいるが、雲も相当浮かんでいる。昨日の夜中に降った雨で路面には水溜りが出来ている。穏やかな朝である。


引用 毎日新聞(http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091020ddm001010011000c.html
群馬・八ッ場ダム建設:6都県知事、中止撤回の共同声明を発表
 鳩山内閣が建設中止を表明している八ッ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)に事業参加している6都県の知事が19日、合同で現地を視察し、ダム本体の建設中止撤回を強く求める共同声明を発表した。

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 民主主義的には国と地方どちらの言い分が正しいかと言う議論になるが、中止にしろ建設にしろどちらかの政策で利益を得る人が当然いるわけで、どちらの結論が出ても不利益を蒙る人がいるわけである。その不利益を蒙る人に対して何らかの補償をして政策を行うわけである。

 国の大きな方針と、地域の利益、これを解決するには大きな力が要る。成田空港もそうだが、あの反対闘争で遅れに遅れた開港でどれ程の日本の利益が失われただろう。それを計算すると国民は皆がっかりするだろう。
 今回のダム問題、ここだけを特別扱いにすれば他も自分の所は特別扱いにして欲しいと言い出すだろう。ごねれば徳だと判れば、同じ態度をとるだろう。それを許すか許さないか、或いはそれをコントロールできるかが今の問題だろう。
 
 一番の解決方法はといわれれば、解決を先延ばしする事だろう。問題を100年後に決着着けるといえば今問題に係わる当事者は誰も生きていないはず。その時に日本はどのように姿を変えているかだれも予想することはできないはずである。
 本当に必要ならば、100年後も必要だろうし、もし不要なら100年も何もしないことが回答になるわけである。

 今日のニュースで気になったのは、国土交通省の職員が視察に訪れた知事達に対しての説明が余りにも建設推進に向けた発言だったことである。
 自分たちが手がけてきた仕事が途中でゼロになれば、自分の歴史も否定されたことに繋がるのでそういう意見も心情的には納得できるのだが、組織的に見ればどうだろう。
 このように色々な場所でトップの方針に逆らうような言動をしている役所を本当に信じることが出来るだろうか?自分だったら言葉そのものを信じることはできないだろう。