TVCM

 空は晴れている。しかし青空というよりは少し白く濁った温泉の元を入れたお風呂のようである。西の空には少し下が欠けた白い月が浮かんでいる。
 今日の朝は、冷え込んだ外の気温は零度近いだろう、アスファルトの表面に霜が降りていることでよりその寒さを実感できる。

 今日の朝日新聞の2面にTV業界の広告費の現象のグラフが出ていた。民放各社ともCMの売り上げが急下降線を描き、最盛期の5分の1程度に下がっていた。
 これだもの番組の質が下がるのも止む終えない。そしてこの記事を書いている新聞各社の広告の売り上げも下がっているはずで、広告媒体の過度期を迎えているといってよい。
 例外は、やはりNHKだろう。法律で受信料を国民は払う事になっているため、まさしく税金と同じある。民放のように景気が良い時に売り上げが伸びるというような事は無いが、毎年決められた予算が懐に入るわけで、安定した経営が続けられる要因となる。

 テレビコマーシャルに関係するのだが、最近日本車のCMを見なくなったためか、いつ新車が出たか判らなくなってしまった。昔なら「ケンメリ」に代表される車のCMで新しい車が出たことを知り、そこから自動車雑誌を買い確かめるというループが存在した。
 しかし、そういった印象的な車のCMがなくなり、更に視聴者のTV離れ、録画したもののCMスキップと来ては、幾らTVでCMを流しても見る機会が殆ど無くなったに等しい。

 では、車業界は、新車が出たのを知らせるためにどのような努力を払っているかというと、その努力をしているかという状況である。確かに今の状況でそれを知らせる事は至難の業である。それは車以外の業種でも同じことが言える。昔なら、新聞、雑誌、TVとこの三つに広告を載せれば事足りたのに、今ではその三つとも広告媒体としての価値を下げ、インターネットを利用するにしても、利用者に広告をクリックしてもらわなければ何の価値も無い状況である。
 はたして万人が見てくれるCMを流すにはどうすれば良いかという事である。

 そこで旧来の手法である、街頭のポスターが重要になってくる。電柱、駅頭、ビルの壁面あらゆるところで宣伝するのが一番今効果があるかもしれない。地道なものが一番露出度が高いということになる。
 しかし、これも同業他社が同じ事をするようになれば効果が半減するし、いたるところに色々な広告が出だすと、人間はその広告を一種の模様とみなすようになる。
 野原に一枚あると目立つのに、広告ばかりある場所にタンポポが生えていれば、そのタンポポに眼が行くのが人間の心理である。
 
 後は、戸別にチラシを入れるこれも効果的だろう。自動車で言えば、車雑誌を無料で戸配すれば今のTV、新聞に広告を載せるより効果的だろう。
 今後、新聞販売店も戸配のルートを使って営業を行えば相当な売り上げが期待できるのではないだろうか。