見直し

 朝日が本当に昇るのが遅くなり南側にずれてしまっているのが気付くようになった。空には、薄い雲が少しあるが概ね晴れである。風はやはり冷たい。


 自分も含めてそうなのだが、評論家の立ち位置で文句を言うことが非常に多い。自分が出来もしないことを実際にしている人に向かって非難する事である。
 まあしかしこれも悪いことではない。その非難の中に真実が含まれていることもあるし、一種の息抜きになる場合もある。


 実際に計画を立案し、実行するには常に数々の難問が待ち受けている。若い頃は、自分で計画を立案するのではなく、上からその計画が降ってきてそれを実現するために苦労を積み重ねる事になる。
 その実行する人間の中から、自分で計画を立案するもが選び抜かれ今度は計画を考える人が生れてくる。官僚機構はその際たるシステムである。
 
 計画を実行するのに苦労するのは、人、物、金の工面である。普通の人間が行おうとすればその段階で挫折してしまうが、官僚システムは、その点で何も心配は無い。
 計画を毎年立て、それが通れば後は実行に移すだけである。その点は事業をしやすいようにシステムは出来上がっている。
 そのシステムも、維持するのには多大な費用が発生する。仕事をするしないに拘わらず人件費は毎月発生し、それに付随して建物などの設備費、電気、光熱費などが発生するからである。
 
 言うなれば、どんなに仕事をしても、どんなに仕事をしなくても経費が掛かるわけである。更に、人は毎日役所に行き遊んでいるわけには行かない。何らかのノルマが発生する。そのためノルマを達成するための計画がどの部署に限らず作られるわけである。
 
 効率を考えて作られたシステムが、時が経つにつれ非効率な仕事を産み続けるようになるのは、どの組織も同じである。いつかそのシステムが破綻する事でその非効率性に気付き、改革が始まるかそのシステムが消滅してしまうことが繰り返されてきたわけである。

 その変革の時期が今の今である。そこで最初に戻るが、評論家になり、実際に仕事をしている人に不平不満をぶつけるのは簡単である。しかし、それでは駄目であることをみんなが気づくべきだろう。評論家ではなく自分で行動を始める時だと思う。どんな小さなことでも良い、自分の周りの非効率な事柄を改めることからはじめよう。
 そうすれば日本は変わるだろうし、この経済不況から抜け出す一歩になることは間違いない。