ニュース

 晴れ、朝は雪解けの水蒸気で街全体が霧に覆われている。気温も丁度零度を温度計は表示している。

 まだ、街外れの畑には雪が残っているが、春の訪れを実感させる。

 ニュースというのは、大事故、大事件が起きない限り、マスコミが作り出すものである。そのため、目新しいニュースが無いときは、どうでも良いような話題が、TVに映し出される。

 この様に世界で大事件が起きていないときに、新党結成などという話題が興味を惹くかと言うことで、軽いジャブの様に報じているが、あまり反応は芳しくない様で、その内話題にも上らなくなりそうな勢いである。

 マスコミが放映するのは、自分たちの利益につながることが最大の目的で有る。

 それは、自分たちの地位を危うくしないことを前提にした視聴率を稼げる話題である。いくら視聴率が稼げるからと言っても自分たちが不利益を被るような話題は決して連日報道しないという不文律が存在する。

 だから、くだらない芸能人の覚せい剤騒動は、連日血眼になって報道するわけである。あの芸能人が、例えばもっと影響力を持つ芸能事務所に所属していたならあれほどの報道は無かっただろう。

 

 マスコミも建前は正義の味方だが、その実、ちゃんと自分たちのいる世界の正義の範囲内で報道しているのである。

 それが判っていながら、TVカメラの前では、正義の御旗を振りかざして口角泡を飛ばししゃべっているのである。まさしく本音と建前の世界なのである。

 見ている方も、裏の姿が分かっているから、そのフィクションに飽きてしまったのだ。

 実験的に一度、自分の本音をさらけ出す番組をやって欲しい。例えば、ニュースの中でアナウンサーが、自分の会社の批判をしたり、あの歌手はズラだとか本音をいう番組である。

 普通ならそんなことを言ったらクビだが、その時間帯だけは、無礼講とするわけである。そしてその時間帯だけは、見ている国民も文句を言ってはいけないという法律を作るわけである。

 そんなニュース番組があれば絶対見るのに。