寒いニュース

 曇り、冷たい風が吹き抜ける。朝の気温は6度だが、風がそれよりも寒さを感じさせる。

 

 今朝のニュースショーで、鳩山首相の服装を評した海外のニュースを取り上げていた。

 確かに、見た目は奇抜で今の普通の人が着ないような柄のシャツを着ていた。しかし、それを以て総理の資格が無いというのは言い過ぎだし、自分の国の首相の悪口を言われているのについては、余り良い気持ちはしない。

 何故、その批判に対してマスコミは迎合するのだろうか?例えば、自分のTV局の会長、社長なりのファッションセンスが批判され、それだから会社の業績が悪いと言われてその通りと思う社員は居るだろうか?

 沖縄の問題、色々な考えがある。しかし、その取材は、余りにもイエスかノーかに偏りすぎている。基地問題に関する沖縄の人の思いは、千差万別であろうし、そのひとつひとつが、沖縄の考えになっているはずである。

 その上辺だけを取り上げて基地問題を語るのは止してもらいたいと思う。

 日本が戦争に負け沖縄に米軍が駐留して既に65年が経とうとしている。基地ができて生まれた人は既に60歳を過ぎた事になる。

 基地がある上で生まれてきた人、基地があることを知っていて移り住んできた人。既に沖縄の地に、生活しながら突然基地がやって来たことを知る人は徐々に減ってきているはずである。

 その辺りの、事情をどのように捉えるかで、報道の姿勢は変わる。取材に行く人間、或いは東京の本社でそのニュースを受け取り放送として流す人間にその辺りの情報は入っているかと言う問題である。

 TV局の制作の幹部は既に戦争を知らない、沖縄は観光に行ってほんの数日しか滞在したことが無い人間が大半だろう。そのニュースを受け取り視聴者も世代が変わってきている。その変化をもっと強調して良いと思う。

 もう一つ気になったのは、日産のマーチが国外生産され日本に逆輸入されるニュース。それに係わる問題として、国内の製造業の空洞化が記事となっていた。

 日本が、あれだけ国内産業の柱として自動車産業に力を注いでいたはずなのに、その力も及ばず日本から生産を海外に移す流れが既に出来始めているという内容である。

 国内生産した車より、海外で製造し輸入しても尚且つ儲かる。そのため海外で生産する。実に持って企業倫理としては正しいのかもしれない。

 しかし、それは日本から内なる能力を失わせることにほかならない。その代わりの別な産業を生み出せと政府は言うかもしれないが、知的財産はなく、情報産業にこれと言った武器を持たず、外国に売るものがない状況で、日本がこの先生きのこる武器が無いわけである。

 

 日本を一時期金融の先進国にしようとしたが、外国企業がその領分をあらし、日本に生き残る金融部門で世界に誇れる企業などどこにもない。

 戦後、ものすごい勢いで発展してきた国の末路は哀れである。先代の財産を放蕩で食いつぶす2代目その者である。遊ぶことには長けているが、本業を疎かにしたばかりに身代を手放すはめになってしまったそれである。

 そしてその3代目は、お家の再建に乗り出すのであるが、果たして世の中そう上手くは行かない。金はなし道具はなしで何をするにも八方塞がりとはこのことを言うのだろう。コツコツと小銭を貯めて、気長に暮らすしか無い。

 後は、4代目の才能に全てを託すしか無いのだろう。