さくら

 晴れてはいるが空は少し霞がかっている。風はまだ少し冷たいがそれでも春らしさを感じさせる程度である。
 道端のたんぽぽの葉の間から、黄色い頭をしたたんぽぽの蕾が顔を出している。この分だと今日の日中に花をさかせるだろう。


 漸く桜前線が函館にやってきた。今週末には札幌の公園の桜が花を咲かせるだろう。
 漸く北海道にも春がきた感じである。本州では既に初夏を思わせる陽気かもしれないが、ここ北海道では短い春がやってきた。

 この春も6月には入れば夏が訪れ、9月には秋が訪れる。本当にあっという間の春と夏が通り抜けていくのである。

 地球温暖化と言いながら、温暖化と言うよりも異常気象が訪れやすく成ると言う方が正しい。
 その影響は、ここに来ての化石燃料の膨大な消費が、局地的な気象の変化を大陸的な変化に変えて行く。
 これまでも人間社会が文明を謳歌する度に地球環境は変化を遂げてきた。この先、発展途上国の密林と呼ばれた土地はこの先どんどん減少を続けていくことだろう。
 
 その先にある未来に、本当に桜の花が咲き誇る環境が残っているのだろうか、桜の開花宣言を聞いて不安になった朝である。