北九州 vs 札幌

 昨日の試合、CSでみました。

 本当にJ2は、戦力差が殆ど無いことを改めて実感した試合である。確かにこの位のレベル差なら3位以内には入ることが出来そうと思えてくる。
 
 昨日は、札幌が勝ったが、次の試合に札幌が勝てるかは判らないことを証明してくれた。
 去年は、仙台とセレッソ、湘南がJ1に昇格したが、J1の上位チームとそれなりに戦っている。以前札幌がJ1に昇格した頃とは壁が低くなっているとも言える。
 そしてJ2の各チームもそれなりにチームに平均以上の能力を持つ選手が加入し、日本人選手の能力ならそれ程大差ないことを証明している。

 この試合も、日本人選手の力ならお互い互角で、勝利を分けたのはゴールに入るか入らないかの差であった。

 もしJ2でブッチギリで昇格しようと思うなら、今なら外国人選手は、アジア枠を含めて4人を出場させることができる。この4人の選手枠にスーパー選手を加入させる資本力があれば優勝も夢ではない。
 
 各チームの選手力が平均化してきているのなら、ここで勝ち残るには、後は監督の手腕しか無い。

 昨日の試合は、札幌にとって予想外の試合進行だったのかもしれない。キリノ選手が試合開始早々ドリブルで持ち込みシュートが決まる。あれはそれなりに難しいゴールだった。角度が無くキーパーに詰められ股の間を抜けるタイミングで打った事自体相当の難易度である。上手くキーパーが足に当てれば外れるものだった。
 あれだけフリーでも外すのに、あの場面でゴールに入るなど見ている方も信じられないものである。
 それは、後半砂川選手の絶好のチャンスを華麗に外した事からもいえることである。あれは、外した途端やっぱりと納得してしまった。

 その先制のあと、札幌の動きは悪かった。下手に一点を守ろうと意識する余り、ボールに札幌の選手が行き過ぎたきらいがある。そのため一つ外すと大外にフリーの選手が生まれここから攻撃を仕掛けられ札幌の選手は右往左往してしまった。

 札幌の守備はここ数試合、スリーバックで始まるが、この試合の札幌のDFは酷くて目も当てられなかった。
 そもそも3バックのサイドは、守備範囲が広くなくては務まらない。お世辞にも西嶋選手や藤山選手があの広い面積をカバーできるとは言えない。
 もし藤山選手或いは西島選手が引き出されたら、その反対サイドの岩沼選手や藤田選手がカバーに入る必要がある。更に上里選手と芳賀選手がバランスをとるのが常道である。

 しかし、昨日の試合は、そのカバーが上手く行っていなかった。そのカバー自体の練習もしていないらしいことは、昨日の放送中にも言われていたことである。まさしくぶっつけ本番でスリーバックを試している途中である。

 そのあまりの崩壊ぶりに慌てて、前半終了前に岡本選手に変え砂川選手を入れ、5バック気味に守備を下げて漸く落ち着いた感がある。

 確かにこの連戦の疲れから前半は抑えて後半に体力を温存しようと考えは誰しも持つ。きっとスタート時点で指示は有っただろう。
 札幌の選手が疲れていたのは、後半キリノ選手、近藤選手の足が止まっていたことからも言える。他の選手も同様だっただろう。
 
 後半、札幌にも何度かチャンスがあり、相手の北九州にも何度かチャンスがありお互い決めきれず最終的に札幌が勝利をもぎ取った。
 
 この連戦は、どのチームも体力的に消耗したことだろう。札幌などは移動の為に日本の北から南に移動を繰り返したことを考えれば選手の疲労は相当に違いない。
 この日程を考えれば、札幌の選手のレベルに左程の違いは無いのだからメンバーを試合ごとに入れ替えることも可能だっただろう。
 そうすることで試合に出れない選手のコンディションも上げることができたに違い無い。
 
 この試合、かろうじて勝利を得ることができた。今後もどちらが勝つか分からない試合が続くのだろう。