北海道5区補選結果

 雨上がりの曇り空。今にも雨が空から落ちそうである。気温は、それほど低くない。


引用 読売新聞(http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20101025-OYT8T00029.htm

北海道教職員組合(北教組)の違法献金事件などが引き金となった衆院北海道5区補欠選挙は、自民党の町村信孝氏(66)が勝利した。今回の補選の焦点は「政治とカネ」。民主党は、自らが招いた失点を克服できず、“集票マシン”である労働組合の動きにも精彩を欠いた。中でも、違法献金事件で団体として有罪判決を受けた北教組は、選挙戦で表立って動くことができなかった。

 昨日は、北海道5区の補欠選挙が行われた。そして結果は、町村さんが当選した。

 選挙が終わったので少し選挙結果の分析をしてみよう。

 今回の選挙は、民主党の議員の選挙違反によるものだった。この違反も民主党が選挙運動に教員を使ったからである。対して自民党は、運動員を企業からボランティアとして出させた点にある。
 企業のボランティアというのは、表向きでそれは企業自体から強制的に駆り出されたもので以前から行われていたことである。その方法を、企業ではなく教職員組合という組織で行ったことが問題となった。
 企業の運動も、本当は当選後の利益誘導を伴った運動だから、厳密に言えばわいろと同じことなのだが、将来の約束されない利益誘導は罪にならないということである。

 そのため今回の民主党の選挙運動に労組は積極的に前面に出ることはなかった。これは相当民主党の選挙運動に響いたと思われる。

 もう一つの敗因は、これは一番の事だったと思うが、候補者に魅力が無かったということに尽きるだろう。若さを前面に押し出し、町村さんとの差別化を計ろうとしたがその年齢の差をアッピールすることでどのような価値があるのか判りずらかった。
 町村さんも66歳ということで年齢的に今回の選挙が最後になると予想され、ギリギリ年齢に関してはセーフになると思われ、その差を差別化する要素にかけていた。

 また、今回の候補者は、滑舌もそれほど良くなく、今後の国政の活動に際してどれほど道民の力になるか判らない部分があった。これも候補者選びに失敗したといえる。
 今回の選挙は、あくまで補選でムードで行える選挙で無かったことが民主党の候補に影響したともいえる。北海道の民主党の候補者は、古くからの体質でどうしても旧社会党系の人脈で選ばれることが多い。その系統の顔だちをしていたのも悪影響だっただろう。

 そして最後に一番影響を与えたのは、間違いなく中国問題だろう。

 民主党政権ができた際、民主党の小沢元幹事長は、国会議員を引き連れ訪中した。(これは今となっては、中国側は、自分たちに日本がご機嫌伺いに来たとおもっただろう。)そしてその後、日中関係が良い方向に向かうかと思いきや、海底油田に始まり、尖閣問題と却って日本に向かって敵対的と思える行動を示し始めた。

 民主党政権になり、今後日本が生まれ変わると思っていたところ、そうでは無く何も変わらないどころか日本の存在そのものが危うくなりそうな雰囲気を醸し出し始めた。
 今の日本は、徐々に右傾化し始めたといっても良いだろう。その状況は、マスコミにも影響を及ぼしている。今日のTV朝日のニュースでは、自衛隊の存在をアッピールする番組を放送していた。これは、風見鶏体質のマスコミが、世間の空気を感じたか、それとも何かの力が働いたのか判らないが、風向きが変わった。

 そして今回の選挙結果があると思う。

 北海道の一地方で、長らく保守の地盤が固い地域で町村さんが当選するのも納得できる。しかし、有権者も町村さんがまた国会議員に成ったとしても何ら自分たちの暮らしが劇的に良くなるとは考えてはいない。直接の利益誘導は何も期待できなく何のための選挙だったのか本当に判りにくくなったと思われる。
 
 自民党も民主党も根本的に弱体化した。さらに他の野党も同じように何の魅力を示すことが出来ず、今後の日本の政治に限界を感じさせた選挙ともいえるだろう。