医療費

 曇りだが午前中は晴れ間も見えるだろう。気温は、マイナス10度前後、吐く息は白く、鼻水は凍る世界である。

引用 北海道新聞http://www.hokkaido-np.co.jp/news/life/270509.html

道内国保料9000円上昇 05年度比 医療費増、収納率悪化で(01/28 07:43)

 道内の自営業者など約150万人が加入する国民健康保険料の引き上げ幅が拡大している。道のまとめによると、2009年度の被保険者1人当たりの年間平均額は9万1446円と、05年度比で約9千円上昇。年間10万円以上の自治体も7町村から、2広域連合の22市町村を含む65市町村に急増した。高齢化による医療費の増加や、景気低迷による収納率低下などが、各自治体の国保事業会計を悪化させていることが要因だ。

 この問題は、北海道だけの問題ではなく日本全国の問題である。このまま医療費が増大すれば自治体のみならず日本の財政破たんから国民皆保険制度そのものも維持できなくなる恐れがある。

 医療費の膨張は、老人人口の増加と同時に、医療技術の進歩により多くの病院で昔だったら高度先端医療となっていた技術が今は、普通の医療機関で受けることが出来るようになった。

 

 医療に限った話ではないが、収益の上がることに関しては、病院は積極的に取り組む。それにより収益が上がれば、国民の保険料が上がろうが知ったことではないからである。多くの医療資源を使い治療することが善として認められているため、そういった分野に多くの病院がチャレンジする。

 更に問題なのは、やはり高度成長期から今まで豊かになった日本人の多くが糖尿病という病に掛かるようになってしまったことである。

 今の医療では、糖尿病患者になっても薬などを使えば普段と変わらない生活を送ることが出来る。しかし糖尿病自体は現在は不可逆な病気なので治ることは無い。そのため薬の消費量は増加していく。

 更に悪いことに糖尿病患者の多くは、多くの病を併発していく確率が高くなる。そうならば糖尿病以外に心疾患、脳卒中などの病気が起こりそのためまた医療費が増加する。更に糖尿病患者の多くは、徐々に腎機能を失い、透析治療に移行していく。

 

 透析治療は、本人にとってつらいだろうが、それ以上に高額な医療費が掛かる。その患者が今後増加することが予想され更に医療費を圧迫することが予想される。

 このほかにも多くの病気が、保険で治療される日本にとってこの先医療費が下がることは想像できない。もし財政が破たんした時に医療費の負担をどうするかという問題が確実に起こるはずだが、その問題を先送りしている。

 日本経済がまた夢のように回復し、「世界の工業国」と呼ばれるようになることはもはや不可能である。ライバルは多く、メイドインジャパンという言葉さえも過去の物になるだろう。

 だとするなら、既に日本という国の懐は、この先いつか尽き果てることは自明の理である。その現実を見ずにこのまま過去の栄光を引きずるような医療政策は、どこかで方向転換する必要がある。それが何時かと言われれば今しかない。

 そういった過去の栄光に縛られた政策を、「scrap and built」してくれることを望んだ民主党政権は、期待を裏切ってしまっている。

 もしこのまま膨らむ国民医療費を賄うためには、やはり国保社会保険などの団体の競争だろう。例えば市町村国保の運営を各市町村間で競わせることである。如何にその事業を効率化させ無ければ無駄は減らない。

 実際、無駄な薬を処方している病医院は数多くある。そのすべてを審査するような仕組みを作り上げるために、今の市町村単位の事業をその範囲を超えて競わせるような仕組みを作り、一番効率的な運営を行っている組織が生き残るような方法を取ることも一つの方法ではないかと思う。

 毎回同じような事ばかり書いているが、医療費の問題は、もうすでに危篤寸前だと国民は考える必要がある。