131I

 曇り、乳白色の雲が空一面を覆っている。4月初日は、朝の気温がプラスとなった。風は冷たいのだが。

 4月1日と言えばエイプリルフールなのだが、簡単に嘘はつけない雰囲気である。また来年も4月1日は来るだろうからそれまでお預けである。

引用 日本経済新聞http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819499E2E3E2E2E68DE2E3E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2) 

IAEA、検出物質はヨウ素 福島・飯舘村の測定値修正

 【ウィーン共同】国際原子力機関IAEA)は3月31日、福島第1原発の北西約40キロにある避難区域外の福島県飯舘村の土壌からIAEAの避難基準を上回る値が検出されたとした放射性物質は、半減期の短いヨウ素131で、測定値は1平方メートル当たり約2千万ベクレルだったと修正した。

 IAEA当局者は30日の記者会見で、約200万ベクレルとしていた。数字を取り違えたとみられる。

 測定日は3月後半で、ヨウ素131の半減期は約8日。当局者は「検出された値は限られた試料に基づいた初期評価で、追加調査が必要」と話している。

 一方、日本の原子力安全委員会は31日、国内では土壌でなく空間放射線量を指標にしていると説明。原発から半径20キロを「避難」、20~30キロを「屋内退避」とした設定は妥当で、避難区域の設定の見直しは必要ないとの考えをあらためて示していた。

 2千万ベクレルは一秒間に検出される数値である。この場合は131Iなのでガンマ線ベータ線が出ているということである。別の単位で良く聞かれるマイクロシーベルトは、生体が吸収するエネルギー量である。

 ガンマ線でも放射性同位元素ごとに線のエネルギーが異なるため全てが同じではない。その辺りが一般の人には誤解を受けやすい。

 今回の131Iは、医療の現場で検査に使用されているものである。ガンマ線のエネルギーも単一ではないが、一番多いのが364keVである。この場合相当エネルギー量が高いため。薄い鉄や鉛では十分な遮蔽効果は得られない。

 ちなみに137Csも放射線治療に使われる同位体である。

 では、2千万ベクレルが人体に影響あるレベルかと言えば医療で使用する単位と同程度の量を使用していることになる。しかし、医療の場合直接体内に投与する量であるため差し引いて考えると、知らないで数日程度滞在したとしても問題ないレベルだろう。それは必ず病気になるレベルではないというだけである。

 以前にも書いたが、風向きによって汚染の強度に濃淡は生まれる。それは風向きが均一ではなく地形による影響もある。例えるなら吹き溜まりにゴミが寄せられるようなものである。

 人が生活できるかどうかは、十分な期間を置くか、測定地点を限りなく増やし観測するしかない。一番良いのはやはり数か月程度の期間を開けることだろう。それにしても原発の封じ込みが済んでからの時間であるので相当の期間住民避難が続けられることは覚悟しなければならないだろう。