みんなで頑張ろうよ

 頭上の空は、見渡す限り雲一つない、まさしく晴天である。気温は零度近くに下がり冷たい風が吹くが、徐々にあの埃っぽさが消えてきている。

 

 昨日の夜、テレビ朝日で「TVタックル」という放送が流れていた。震災から丁度一か月、夕方には強い余震があった日である。番組を作った本人たちは、自分経ちの不満のはけ口を放送したかったかもしれない。

 見ていて本当に悲しくなった。今はドイツにいるサッカーの岡崎選手が「みんなが一つになって」と語っている言葉がむなしくなる。

 確かに今の菅政権の危機対応能力に問題がある部分もある。しかし、その細かな部分には少なくとも目を瞑り、復興に対して日本国民が総力を挙げて立ち向かわなければならない時期である。その時期にその先頭を切って指揮命令している頭に対して、すぐ辞めろと怒鳴りあげることでのマイナスはどれ程のものだろうか?

 

 誰かを生贄に捧げることで憂さ晴らしをしたいという気持ちは、正直判る。しかし、それは飲み屋の片隅で愚痴れば良いではないか、少なくとも公共の電波を使って日本全国に放送する必要性は無い。それをするなら今の原発問題が片付いてからでも良いではないか。

 今は、戦中ではないが挙国一致で総力を挙げて難局に挑むことが必要で、今の時期に政権を争うことに何の意味があるというのだろうか?その意味で、自民党の姿勢にも問題がある。

 

 今の原発の問題が長引いているのは、自民党時代に協力に推し進めてきた原発政策の影響が多分にある。今は選挙に負けて下野しているが、もし政権政党だったら立場は逆転していただろう。そういう意味で自民党の罪は重い。

 国民が表だって批判しないのも、今は困難な時だからである。人を非難するだけでは何も生まれない。頭を変えろと怒鳴りあげても何も変わらない。ではどうすべきか自ずと決まってくる。それは政権に参加することである。

 一部に批判勢力が無ければ問題が多いという向きもあるが、例えば1年間限定でも良いではないか、今は国会議員が先頭を切って日本の復興への努力をすべき時である。上がやりあっているのを見ていてばかりでは、下のものが頑張ろうとする心を挫消させるだけである。

 というわけで放送は殆ど見ていない。