戦い

 晴れ、朝から青空が見えるのは久しぶりである。気温も9月の朝にしては暖かい。

引用 NHK(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110906/t10015414381000.html) 

放射性廃棄物対策進める

細野原発事故担当大臣は、閣議のあとの記者会見で、福島県内の除染に伴って生じる放射性廃棄物について、管理がしやすいように、減量化したり放射能レベルを下げたりする技術の開発を早急に進めたいという考えを示しました。

この中で細野原発事故担当大臣は「除染の際に出る放射性物質を含んだ土を、一時的にでも仮置きしなければ除染が進まない事情がある。仮置き場が設置される場所の近隣住民のことを考えると、長く置いておくのも現実的ではないので、中間貯蔵施設が必要ではないかという問題意識だ」と述べ、放射性廃棄物を一時的に管理する中間貯蔵施設を福島県内に整備せざるを得ないという考えを改めて示しました。そのうえで細野大臣は「これだけ多くの廃棄物が出る以上は減量化が非常に重要だ。地元の負担などを考えたときにも減量化は必須なので、そうした技術の検討を始めている」と述べ、放射性廃棄物を減量化したり放射能レベルを下げたりする技術の開発を早急に進めたいという考えを示しました。

この問題は、非常に重要である。

今回の福島原発の事故で、降り注いだ放射性廃棄物は、かなりの量である。タラレバでいえば、爆発さえしなければこの様な問題は起きなかった筈。初動が適切であればということが悔やまれる。

起きてしまったことは仕方なく今後どう対処するかの段階に来ている。

福島県から避難している住民は多く、そこに戻りたいという人も多いだろう。そのために低線量になるように除染が必要になる。

すると当然放射線の廃棄物が発生する。弱く拡散してゴミのようになっていたものでも寄せ集めればそれなりの濃度になる。それを保管するならそれなりの管理が必要になる。

ハッキリ言ってしまえば、福島県から他へ運び出すのは不可能だろう。放射性物質を拡散することになるからである。更にその放射線の量は、無問題になるまで核種によっては人類が管理できない年月のものまである。

上に述べたように薄まったものでも濃縮すれば相当の濃さになる。それを一か所に置けばそれだけで管理は大変になるので分散して保存する必要がある。そうなれば、原発周囲の今後2,30年は人が立ち入れない地域に保管するのが当然の所だろう。

この辺り、放射線の影響を一般の人に説明し理解を得るのは簡単ではないが、間違いなく人が生活していくには相当なリスクを覚悟して生活しなくてはならない地域になってしまった原発周囲の街をまた元通りに戻すことは不可能に近い。

一見、避難地域の光景は普通で何の影響も人体に与えないように感ずるかもしれないが、それは間違いである。残酷なようだが人は暮らせない。事故はそれ程酷かったということである。

人間は、何かにすがることで生きる希望を見出す。避難している方々も故郷に何時か戻るということを希望に避難生活を送っているのだろう。その希望の光を奪い取ることは残酷なことである。

しかし、あれほど国や電力会社が伝えてきた、原子力エネルギーも、受ける利益が大きければ大きいほど一度トラブルが起きると今まで受けてきた恩恵を無にするほどの被害を受けることを知らなければならない。

本当にこれから何十年も核物質との穏やかな戦争を続けなければならないのである。