権威は崩壊する

 晴れ。気温はマイナス10度前後。

 昨日の続きになるが、今まで日本と言う国のなかで築き上げられた伝統とか歴史とかが一遍に引っくり返すようなうねりが起きている。

 今まで何となく神秘的で誰もがその中に入り込めなかったことが、いつの間にか公にされそしてその中身が空っぽでまさしく張りぼてだったことが明らかにされていく。

 今まで何の根拠も無く崇拝され続けてきたことが、間違っていたと気付いたと言う事である。

 日本で起こってきていることは、実は世界でも同様に起こってきているわけで、今起こっているエジプトの件も、民衆が「王様は裸である」と今まで黙っていた事を口に出し始めたからである。

 その人前で決して口には出せなかった言葉が、インターネットと言う道具で簡単に表現できるようになり、皆が日頃可笑しいと思っても、監視の目を気にして口に出せなかった事をひそひそ話のように呟き始めそれが大きなうねりになった。

 何の根拠の無い権力は、その実体が暴かれると簡単に崩壊してしまう。今までの権威や力があたかも陽炎だったかのように跡形も無く消え去る。
 今まで恐れおののいていただけに却ってその虚像を見せられていた事実に、民衆の怒りは余計増すことになる。

 日本の大相撲の八百長など可愛いものである。これからもその皆が隠しておきたいと思うものは次々と暴かれていくだろう。
 
 それに対して権力を持つものは、その虚像が暴かれる事を絶対的に阻止しようと企てるだろう。それができる国は、まだしも、一度インターネットと言う武器を受け入れた国は、そう簡単なことではない。
 
 一度広まってしまった道具は、取り戻す事は不可能である。今、中東が沸騰しているように、この流れは確実に中国に波及するだろう。
 一度文明を受け入れた国は、その文明が栄えるために過去の文明を捨てなければ成らないからである。

 権力を持つものはその流れに抗いたいと思っている。権力に対して民衆は恐れおののいて欲しいからである。
 しかし幾ら虚勢を張っていても真の実力が無ければ権力が役に立たない事に気付くべきだろう。その事に気付けば誰もが敬う存在になることが出来る。
 
 民衆は、その内部の状況を知り、実情がわかってもその権力を支持するときは支持するものである。まさしくその時は、運命共同体になることが出来る。
 それが判れば、文明と言う波に恐れおののく事は無いのである。

 相撲協会も、少なくとも八百長の存在を認めた今、過去の八百長行為も含めて懺悔すべきである。今までの暴力団との付き合いも認め、相撲賭博に関与していた事も全て明らかにすべきである。
 それでも皆が相撲など要らないと言う事であれば相撲など日本に存在しなくなるが、きっとそうでは無いだろう。

 一度、全ての事実をご和算にすることで出直しが出来るタイミングが生れるはずである。今現在のように隠せるものは隠して行こうとすればするほど過去の悪行が小出しにされ、事態は悪化するのは目に見えている。
 
 人間の気持ちは正直なもので、一度負けを潔く認めてしまえば、それまでの過ちを認めてしまう生き物です。ただ、それが何度でもあるかといえば限界はあるので、不祥事は100年に一回程度に抑えるべきだろう。