快適生活

 晴れ、少し雲は青空の中に残っている。空は何時もより青みを増して本当の青空の色に近い。気温は、その空と裏腹に零度近くまで冷え込んだ。

 
 今回の震災で感じたことは、人間が徐々にひ弱になってきているということだろうか。まず一つは、この夏の電力需要のひっ迫に対して、冷房が切れると死ぬ人が増えるという話題である。

 確かに気温が毎日40度近くまで上がれば、一日中お風呂に浸かっているようなもので、人間の体も茹で上がってしまう。しかし、そのような気候でも、平気で暮らすことができた時代があるし、今でもそのような環境で暮らしている外国人は無数にいる。日本人だけがその環境に耐えられないということは無い筈である。

 しかし、今の日本人は、既に快適な環境ができる生活に慣らされてしまった。文明の発達は大変素晴らしいのは良くわかるのだが、環境の変化に弱いのも事実である。その環境の変化を自分以外の能力で防ぐことで大切な感興への順応という利点を失ったわけである。

 このまま、日本人が快適な感興を続け、もし今回のような大地震が真夏、あるいは真冬に来たらどうなっただろう。多くの人たちが地震や津波の他に、寒暖というもので犠牲になっただろう。

 この震災は、色々なことを考えさせられる。その一つが、ひ弱になった文明人というものである。この時だからだこそ、文明に頼らない生活を考えるべきだろう。快適な生活が一生続くとは限らないのだから。