汚染

 薄曇り、気温は高い。

 昨日の話の続きになるが、何故、無理をして福島県産の農産物を出荷する必要があるかということである。

 福島の農家などの生産者の保護という名目があるが、今回のような騒ぎを繰り返すことは明らかだったし、こういうことが起これば消費者の福島県産の農産物の買い控えが当然起こることは判り切っていることである。

 できることなら一年程度出荷を自粛してもらい、東電あるいは政府が全量買い取りで良かっただろう。1年たてばそれなりに汚染地域の放射能は洗い流されある程度汚染地域の分布が明らかに成ったはずである。
 それから汚染されていない地域から農産物を出荷させるようにすれば、このような問題が起きなかっただろう。

 当時政界こぞって福島産の農産物の安全性をアピールしていたが、その後も国会議員が率先して福島産の農産物を消費しているという話は聞かない。そのようなパフォーマンスばかりしているから、結局何の見通しも立てずに政策を行うことになってしまう。

 セシウム半減期は30年と長期である。ある程度許容できる濃度になるまではその4倍程度の期間が必要だろう。それで既に人間の寿命を超えている。
 それが土、海水を通して徐々に拡散していくはずである。だから今後何十年かは日本人は放射能の混じった食物を摂取していかなければならない。

 今できることは、放射能の含まれる量の少ないものを選んで摂取するしかない。年月が経ち広く拡散し濃度が薄まれば薄まるほど体内に取り入れる量は微量になる。

 このような原発に事故が起これば、広い範囲で影響が起こることを、実際に起こって初めて知る。人間は、未来を予知して準備ができない生き物だとつくづく思う。