技術力

 晴れ、朝早くは比較的涼しかったのだが、朝日が顔を出すころから急激に気温は上昇し始めた。今日も日中は三〇度を超えそうである。

 七月ももう残りわずかとなった。既に大学などは夏休みに入ったところもある。小中学校も来週から夏休みに入るころである。

 北海道の夏も、本格的に暑いのは約一か月というところである。夏の暑さの真っただ中は、冬の寒さを恋しがり、真冬の寒さの中では、この暑さを恋しがる人間は本当に勝手なものである。

 その欲があるから、何かをしようと考えるのだろう。夏の暑さを快適に過ごす方法、冬の寒さの快適に過ごす方法を考えたから今の生活がある。

 そしてその夏の暑さを克服する方法にまた一つ課題が加えられた。それは省エネである。夏の暑さを凌ぐには、クーラーが最も手っ取り早い。電気があれば涼しい風が吹いてくる。しかし、今の時代、エネルギーを消費尽くしてその暑さを防ぐということにストップがかかった。

 その一つは、原子力発電所の問題である。そしてもう一つは資源の問題である。世界がまだ地域格差が大きく、豊かな国が少なかった時は、豊かな国が資源を独占してきた。
 しかし、今は違う、世界の国の多くが徐々に豊かになり、その豊かさを維持するために資源を必要としてきた。多くの国が資源を消費すれば、それだけ今まで独占してきた国の取り分は少なくなってくるのは道理である。

 ゆくゆくは、多くの国が資源の取り合いを行うことになり、資源も枯渇するだろう。そうなったとき、夏の暑さを凌ぐためのクーラーは当然使えなくなるだろうし、冬の寒さをしのぐための暖房も簡単には使えなくなるだろう。

 今こそ、そういった資源を使わずに快適なとは言わないまでもそこそこの環境を構築できるシステムの開発が必要になる。その時期が今の時期と言える。

 これからの時代に先頭を切って走るには、それなりの技術力が居る。まさしくその技術力を底上げするのが人なのである。如何に多くの人がその技術力のアップに貢献するかということに尽きる。