選択

 雨が時折ぱらつく、今日一日そういった空模様らしい。

 いつも出勤に使う道の順路を時折変えてみたいという時がある。それは前もって今日はこちらに行こうという時と、交差点で急に方向転換し順路を変える時である。

 その時思うことは、急に順路を変えた時、自分の運命が変わるかということである。それは、この道を真っ直ぐ歩いていれば事故に遭わなかった筈なのに道を変えたから事故に遭ったということが果たして起こるかということである。

 昔、JALの飛行機が御巣鷹山中に墜落したとき、その便に間に合わなかった、直前に変えたということで生き延びた、亡くなったという話があった。
 もし毎日、通勤で同じ道を同じ時間歩いていて何か事が起こった場合、それが自分が選んだ運命なのかそうでなかったのか判らないが、自分でやり方を変えることでもしかしたら自分がその運命を選択できたと考えることができるのでないかと思うわけである。

 積極的に運命を変える行動をとることで、良いことが起こればそれで満足であるが、もし悪いことが起こればその選択を悔やむことがあるだろう。ただそれも偶発的な出来事であったはずである。

 日常の生活でそういった体験をすることはさほど多くない。もし自分の責任でそういった事故に遭うのは、自分の不注意によるものが大半を占め残りは、自然のいたずらのような偶発的な事故であるだろう。そして、自己責任でないとしたら相手に過失がある事故に出会うことである。

 もし人生に悩むようなことが有ったら、何かのきっかけを与えるような行動を積極的に取る方が自分の心の負担は少ない、それで自分の心が晴れるなら安いものである。