水戸 vs 札幌

 土曜日の試合はCSで見ました。

 結論から言えば、札幌が勝った試合だった。

 そして1位との勝ち点差は2とまた縮まった。このまま昇格争いをするのを見るのは楽しい。しかし、もし昇格したらという不安な気持ちがもたげてくる。

 果たして、札幌が昇格するようなことが有った場合、J1で勝てるチームになるのかということである。

 石崎監督が目指すサッカーは、パスアンドパスで相手を揺さぶりゴールを決めるチームだろう。果たしてそれが出来上がっているかというと否である。
 中途半端にパスが繋がりゴール前でボールを失うというのがデフォルトのチームがこのままJ1で試合をすることを考えるとまさしく恐怖である。

 現実的には、この試合で見せた相手の攻撃を交わしてからの逆襲のスピードで攻め上がり得点を入れるというのが、正直選択される戦術だろう。
 そのためには、相手の攻撃を正面から受け止める守備力が必要だが、残念ながらその力は無い。札幌がこの守備力で戦えているのは、J2の攻撃レベルが低いからである。
 もし今の段階で、相手にスーパーな選手がいるチームなら簡単に守備網は破られることだろう。

 J1に上がって直ぐ上位に食い込むには今のチーム力からしたら絶対無理だろう。それなら最低でも今の選手力レベルで降格しない程度の力があれば良しとするしかない。

 そしてまた、チーム戦術の話になる。

 今のJ2の試合運びで上手くJ1に昇格した後、普通に戦えるとしたら、やはり千葉とFC東京だろう。それ以外に上げるとしたら京都だろう。各々のチームに更に2,3枚の駒が加わればきっとそれなりにJ1で戦えるチームが出来上がることだろう。

 では、札幌に2,3枚の駒を加えればという話になるが、やはりスポンサー力に尽きる。上に上げた3チームはそれなりに親会社という金が出せる存在がある。

 今の札幌にその力は無い。せいぜい一人加えられれば御の字だろう。それ以上の選手を加えられる力が無い、そして無難な補強をしたところでレンタルというところになるだろうが、レンタル選手は買い取れなければ何時かチームを去っていく。その戦力ダウンは計り知れない。例えばその例が山形である。

 ある程度J1で戦うチーム力を備えては、翌年また選手構成を考え直すという繰り返しで、継続しチーム力の完成を目指すことができない。ある意味毎年がやりくりの繰り返しである。昔の札幌もそういうチームだった。

 やはり下部組織や高卒大卒の生え抜きがそれなりの戦力になり、その次が何時も控えているという状況にならなければ、金の無いチームは勝ち抜けないだろう。

 まだ、これから多くのゲームを残すJ2にとって、昇格という夢を持って戦えることは幸せである。この後、選手層に厚みの無いチームは上位グループから脱落していくだろう。それは、これからまだ連戦が続くからである。

 上位で選手層に厚みの無いチームは、どのチームもそうである。大黒柱の選手が一人でも欠ければそれだけで勝つことができなくなるチームばかりである。そのチームをどう持ちこたえさせることができるかは監督の手腕であり。疲れの見える選手は思い切って休ませる采配が振るえるかで勝ち負けが微妙に変わることだろう。