道内民放

 曇り、気温はプラスに戻り、少し肌寒い程度になった。まだ11月だし、真冬の気温になるのはまだまだ先にしてほしいものだ。


 道内テレビのスポーツ枠は、相変わらず日ハム一色である。既に野球シーズンが終わりウィンタースポーツの季節であり、サッカー(コンサドーレ)、バスケット(レバンガ)などは、まだシーズン中である。

 道内の放送局ならではの取材力を見せる時なのに、何時までも野球にしがみついていること自体おかしいことだろう。と言ってみる。

 野球の試合に毎日2,3万人動員する集客力=視聴率につながるという図式に沿えば、放送関係者にとって手っ取り早い方法である。
 それは、シーズン中毎日行っていたルーチンの作業を少し手を加えれば成り立つ楽な仕事だから、そこから抜け出すことはできないし、更に、他の道内放送局も日ハムを取材しているから、その競争に負けたくないという思いはあるだろう。

 だから、毎日飽きもせず情報を垂れ流し続ける。それは、スポーツ新聞も同じである。

 今日などは、まだ活躍したての中田選手と斉藤投手の契約更改の話題だった。

 いくら金をもらうなどと一々放送する必要もないだろうと思うが、放送する話題もなければ取材力もないとなればそこでお茶を濁すことになるのだろう。

 それにしても、斉藤投手の日ハムにいる事がすごく違和感を感じる。話し方、表情全てにおいて野球向きではない。ある意味、どこにでもいる新社会人である。
 決して花が無いというわけでは無く、野球向きの花ではない。

 そしてその放送の中に彼の投球ビデオが流されるのだが、あの甲子園で投げたストレート面影は無いのがまたさびしい。

 あの回転の良い、打者の前で浮き上がるようなストレートは、もう投げれそうもない。ピッチングフォームもずいぶん変わってしまった。

 もし、あの頃のようなストレートで、日ハムでもバッタバッタ三振を取るようなピッチングを見せていたら、今の雰囲気でも良かっただろう。
 それが無いために、昔の幻影が強すぎるために見るものの評価に影響を与えているのだろう。少し残念である。

 初めに述べたように、今の時期、これからのウィンタースポーツに向けて始動の時期である。
 
 スキー、アイススケート、アイスホッケーなど、雪国ならではのスポーツが始まる。更に最近ではカーリングのチームも増え始めている。

 その辺りをコツコツと毎日、放送するのが道内テレビ局の役割だと思う。何故なら北海道は、そういったものが人気になれば更に道民が盛り上がるからである。
 その盛り上げる役割があるとテレビ局の製作者が感じなければならない。

 察するに、道内テレビ局の局員は、北海道愛が薄いのだろう。視線は道民ではなく、本州のテレビ局を向き、その中の流行を自分たちも踏襲する傾向にあるのではないだろうか。

 既にキー局の力は下がっている。その足元にいつまでもしがみついていては共に沈む泥船である。
 道内ならではのコンテンツを開拓していかなくては、これからの存在意義が問われるし、道内に民放が5社も必要があるかという疑問が絶対出てくるはずである。

 夜の番組は、必ずキー局の番組を放送する必要は無い。その時間帯に、北海道内で行われているスポーツの放送をするぐらいの心意気が無ければ、淘汰されるのは明らかである。

 今のネットワークの世界を考えればそれが当たり前になっている。例えば今まで地方が原則だったFM放送が、スマートフォンで日本国内どこでも聞けてしまうのである。
 その方法を使えば、北海道に居ても九州の地方局の番組を見るのは原理的には容易いことである。きっと何時か、それも実現するだろう。

 地デジは、そういった日本全体が放送圏に入ることを防ぐキー局の最後の砦だったのだろう。もし、日本全国にある民放局の放送がどこにいてもみられるようになり、自分たちの放送を見る人の数が減れば死活問題だからである。

 道内の民放各局も、これからはデジタルの時代に入り当然生き残りを考える必要が出てくるだろう。そのためにも道内で作った北海道でしか発信できない番組をまず作り、それを材料に本州に攻め上がらなければ、自然淘汰は目に見えているだろう。