インフルエンザ

 曇り、気温もマイナス1,2度というところで比較的暖かい。

 
 今年もインフルエンザの季節がやってきた。ここ数年、検査薬が出てきてからある程度インフルエンザに感染しているか否かの判定ができるようになり、その流行の兆しが明確になった。

 また、インフルエンザの特効薬が出たために、病院、医院でも積極的に治療をするようになった。
 インフルエンザの特効薬の医療に対する効果は、以前なら風邪と見なされ一律に、消炎、解熱、鼻水、咳止めなどの薬を対処薬として処方するだけで終わっていたものが、きちんと治療という意味で処方できる意義は大きい。
 
 それにより、重症化するインフルエンザの患者が減少したことは、医療費の相対的な減少につながっただろう。

 一昔前なら、重症化しない程度のインフルエンザなら、3日程度寝込んでいた。確かにそれまで健康であったらその程度の感染症というくらいのものであったが、やはり健康でない人や、幼児、老人などは重症化する恐れがあり注意を要したものである。

 そして、そのことがまた人間の記憶からその病の重要性が失われ、インフルエンザを甘く見るようになり始めている。
 そして、インフルエンザ薬の乱用も生み出している。その乱用は、インフルエンザに抵抗性を作りだし、その効果を弱めるものも出始めている。
 折角獲得した特効薬を、短期間の間に無効化する力が、ウィルスに備わっていることがおそろしい。

 インフルエンザのような、変異を繰り返すウィルスが、もっと強毒性を生み出したらという恐怖も常に考えておかなければいけないが、その変異を人類がコントロールする時が来るまで、人類は永遠に備えをしなければならない。