福島

 曇り、蒸し暑い。昨日の夜も暑くて寝苦しい夜だった。今年は、それでも寝苦しい夜の回数は減った感じがする。


引用 中国新聞http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201208200044.html) 

 政府は19日、福島県双葉郡8町村との意見交換会福島市内で開き、放射性物質の除染で発生する汚染土壌を一定期間保管する中間貯蔵施設を設置する候補地を初めて具体的に示し、既に施設設置を打診している大熊、双葉、楢葉町の計12カ所での地質や水質の調査に協力を求めた。

 この件は、日本人の曖昧を美徳とする対応の象徴だろう。

 日本には、30年後の未来を考えられる人間が居ないという事である。もし、本当に自分の生まれ育った土地を捨てたくないのなら現実的な対応は、一端福島周辺の土地に貯蔵するというのが本筋だと思う。

 何故なら、その汚染土壌を引き受けてくれる地域が他に有るかという事である。福島県民の人が反対する物を、他の地域の人が受け入れるはずは無い。それなら逆手を取って、福島に汚染土壌の貯蔵施設を作り、それを無害化できるような施設なり産業を作り上げることも今後の福島の再生には必要だと思う。

 今の除染方法も完璧な方法では無い。今後30年、いや100年の年月で放射能の影響を考えて行く必要がある土地である。そう簡単に物事は解決するはずはない。その長い年月の間、どういう筋道で再生していくかを議論すべきだろう。

 これは例えだが、今の福島の原発の周囲に堤防を作る必要があるだろう。その材料に汚染度を使用するのも一つの方法である。あるいは原発周囲をその汚染土でかさ上げするのも一つの方法である。何故なら、原発周囲は、高濃度で汚染されている。その表面を除染するのは困難である。ならばその上を低濃度の汚染度で覆い尽くしてしまえば、かなりの放射線をブロックできるからである。

 そうすれば、汚染土を地下に埋めたと同じ状況になる。少なくとも福島原発周囲の避難地域は今後100年は人間は住める土地では無い。その土地を国が買い上げ、原発と居住地の隔離用に使う事も可能だろう。

 今回の事故の件は、責任は住民には無い。事故が絶対起きないという国や電力会社の話を信じて受け入れただけである。このような事故が起きることは予想すらせずに暮らしてきたわけであるから、こんなことが許される筈もなく、事故前の現状に戻して欲しいという気持ちは理解できる。自分もその当事者であれば、そういった考えを持っただろう。

 しかし、あの事故から既に1年半以上経過し、そろそろ動きださなければ、日本国民すべてに過去の事として忘れ去られてしまう恐れがある。忘れ去られる前に、考えなければいけないことを考えなければならない。

 でも、その対策を国民全体で議論して考えられるかというと、その意見をまとめるためには時間が掛かるだろう。それなら当事者である福島の人の主導で考え、自分たちが納得いく方法で動き出すしかない。

 今回の話を、マイナスに捉えるのではなく、プラスに変える方法を、福島の人たちは、考えるべきである。立ち止まっていても何も進まない、先に進まなければ未来は開けてこない。