曇り、晴れ。気温は朝の6時で16度。


 朝のNHKで子供が肝試しで怖がっている映像を見て、自分が思ったことは、本当に怖いのは幽霊や怪物では無くて人間だという事であった。

 そもそも、現実の世界には、幽霊や怪物など存在しない。でも何故、それらが居ることになっているかというと、それは人間の怖さを隠すための道具になっているからである。

 本来、人間の善悪は、鏡のようなものである。映されている方か映らさっている方、どちらが本当の姿か判らないほど同じ形をしているのである。違いと言えば、左右が逆転しているだけである。

 だから人間は、普段は善人でも時が違えば悪人になることも可能である。それは生まれた時からその本質を変えることはできないのである。

 

 男の子の頃を思い出して欲しい。あなたは、蝶やトンボを捕まえて羽をもが無かっただろうか?蟻を水攻めにしなかっただろうか?今なら、それを抑える理性が普通の大人には備わり滅多にそんなことはしない。しかし、その考えが無かった子供時代は、それを可笑しいという気持ちは無かったはずである。可笑しい、残酷と思うようになるのは、大人に教えられたからである。そしてそれが本来の人間の姿なのである。

 成長するにつけ人は、残酷という知識を与えられる。虫のみならず人を殺してはならないと教えられる。それは教えられなければ身につくことは無い。

 

 だからその人間の醜さ残酷さ、その実像を隠すために幽霊や怪物が生まれたのである。本来、人が持つその心の奥底にある人には見せられないものとしての化身である。